1: 2018/10/25(木) 13:07:03.51 ID:CAP_USER
1億2000万年前のいまの中国東北部にあたる場所で、火山噴火に巻き込まれて死んだ鳥がいた。突然降ってきた火山灰に埋まり、軟組織は腐敗する間もなかった。それから長い時間をかけて、組織は化石へと変化しつつ、保存されてきた。

 発見された鳥の化石の中に肺の組織が含まれていたことが、最新の研究で明らかになった。太古の鳥の肺が化石になって発見されるのは初めて。研究成果が学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。

 今回発見されたのは、白亜紀に生きていた鳥、アーケオリンクス・スパスラ(Archaeorhynchus spathula)。化石には、羽毛とともに多くの軟組織が保存されており、現代の鳥にかなり近い肺を持っていたことが判明した。鳥の肺はとても効率的で、空を飛ぶためにうまく適応している。このような進化を遂げた肺が、これまで考えられていたよりもかなり早い時期に現れていたことを、今回の研究成果は示唆している。

「これまで鳥の肺や呼吸、進化についての知見はすべて、骨格の化石から推測されてきたのですが、それだけでは十分ではなかったことに気づきました」と、中国科学院古脊椎動物学・古人類学研究所の古生物学者で、今回の論文の共著者であるジンマイ・オコナー氏は述べている。

「わくわくするような発見です」と、この論文を査読した米ユタ大学の解剖学者で生理学者のコリーン・ファーマー氏は語る。「この種の恐竜に鳥のような肺が見つかるのは予想されていたことですが、実際に確かな証拠を示したというのはすごいことです」

■肺と飛翔能力の大事な関係

 化石になること自体珍しいのに、軟組織の痕跡を残した化石となればなおさら貴重だ。これまでに見つかっているのは、古代魚類の心臓の化石や装甲恐竜のごつごつした皮膚などで、オコナー氏自身も恐竜時代の鳥類の卵胞(受精前の卵子を含んだ袋)を発見した経験を持つ。また、鳥以外の化石化した肺の断片を発見した研究も、過去に3例ある。
 鳥がどのようにしてこれほどの飛翔能力を獲得したのか。それを知るうえで、鳥類の肺の化石は大変有用である。

 肺は、無数の血管が走る薄い膜を通して、酸素と二酸化炭素を交換している。この膜が大きくて薄いほど、膜は複雑に折りたたまれ、肺の効率は向上する。人間の肺の内部表面積は、全体で46平方メートルに達する場合もある。

 空を飛ぶには大変な運動が必要で、鳥はそのために肺を極限まで酷使する。鳥の肺はいくつにも分かれ、胸郭の周囲に貼り付いている。他の動物と違って、鳥の肺は膨張・収縮をせず、その下につながっている複数の気嚢がふいごのように空気を送り、呼吸する。このため、肺の膜は極端に薄くなり、酸素が効率よく吸収され、飛翔筋肉にそれだけ酸素を送り込むことができる。しかし、このような特殊化された肺は、いつごろ進化したのだろうか。

 オコナー氏と中国山東省天宇自然博物館の研究者らは、最初からこの呼吸の謎を解こうとして研究を始めたわけではない。当初は、アーケオリンクスの飾り尾羽も含めた羽毛が、化石で初めて発見されたことに興味を示した。

 オコナー氏と研究仲間の王孝理氏が化石を調べたところ、鳥の胴に斑点のついた奇妙な白い塊がふたつ、突起物のように飛び出ているのに気付いた。ちょうど胸のあたりに位置していることから、化石化した肺ではないかと思われた。

 最初にこの化石について論文を書いた際は、羽だけに注目して、肺があるかもしれないということはわずかに言及したのみだった。ところがオコナー氏によると、これが肺であるとはっきり証明されていないことを嘆いた査読者がひとりいたため、論文は却下されたという。

そこで、突起物を詳しく調べることにした。高精度の顕微鏡を使ってみると、人間の毛髪の10分の1に満たない細い空間が蜂の巣のように並んでいることに気付いた。南アフリカのヨハネスブルク大学教授で鳥の肺組織が専門のジョン・マイナ氏にメールで助言を仰いだところ、細かく分かれた鳥の肺の小房によく似ていると返答してきた。顕微鏡では、それぞれの空気の管まで確認できる。マイナ氏は、最終的な論文の共著者に名を連ねている。

「論文を拒否されて、やる気が湧きました」と、オコナー氏は言う。「おかげで、化石をもっと詳しく調べることができ、肺組織の発見につながりました」

続きはソースで

■原始的な鳥類アーケオリンクス・スパスラの化石には、羽毛だけでなく肺の組織も残されていた。
https://cdn-natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/102400458/01.jpg

ナショナルジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/102400458/
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引用元: 【古生物】太古の鳥の肺が初めて見つかる、飛行進化のカギ[10/25]

2: 2018/10/25(木) 13:36:43.14 ID:8QcxK/WI
鳥の新化石で実証された価値は大きいが、
鳥類は、分化する前の恐竜類の段階で
今の肺構造を持っていたが定説
そういう観点からは、古代の鳥が今の鳥と同じ
肺構造でも不思議ではない

恐竜類は、今の鳥類と同じ肺構造で、
哺乳類が持つ横隔膜による肺の収縮伸張でのガス交換より、
有利なので、前時代に比べて酸素濃度が薄くなった
中生代の覇者になれた、とされている
高性能なんだけど、その分構造はチョイ複雑

4: 2018/10/25(木) 15:00:00.89 ID:u/fJKpkD
鳥の肺は焼き鳥屋じゃ扱ってないの?

5: 2018/10/25(木) 21:11:13.00 ID:hahRK1oc
>>1
鳥というかその前の恐竜の段階で、肺が枝分かれしたような気嚢が多くて
全身の強度を増しつつ軽量化していた、って話じゃなかったっけ

8: 2018/10/27(土) 11:02:12.44 ID:o/JHH4Ox
>>5
現生のトカゲで、鳥と似た構造の肺が見つかっている
古生代で両生類から爬虫類が分化して、ほどない
爬虫類がそれぞれに分化し始めた頃の、
トカゲと恐竜の共通祖先段階で、
鳥の肺構造(肺の中では空気の流れが一方通行)を獲得したのかも

6: 2018/10/25(木) 21:53:57.05 ID:f8JOtadz
論文却下の理由が(笑)

7: 2018/10/26(金) 10:15:41.20 ID:0rAWvJQc
>>1
ぱっと見で保存状態よい化石とわかるな
羽毛が残ってるな

肺の微細構造の画像が見たいわ