1: 2015/09/29(火) 21:46:52.43 ID:???.net
らせん空孔が大面積で完全に配向した有機ゼオライト | 理化学研究所
http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150929_2/
画像
http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/press/2015/20150929_2/fig1.jpg
図1 らせん空孔が大面積で完全に配向した有機ゼオライトの合成と利用
a:重合性カルボン酸とキラルなアミンとを等モルで混合する。b:カルボン酸とアミンとの塩から筒状構造の液晶を構成し、これを磁場により大面積で配向させる。c:磁場により大面積配向した筒状構造の液晶を重合し、構造固定する。d: 重合後の構造体から鋳型となるアミンを除去し、空孔をつくる。e:得られた空孔に、カチオン性または塩基性のゲスト分子を包摂(包み込むこと)させる。
http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/press/2015/20150929_2/fig2.jpg
図2 磁場による液晶の大面積配向
a:磁場をかけないでつくった液晶フィルムの模式図(上段)と偏光顕微鏡像(下段)。
b:磁場をかけてつくった液晶フィルムの模式図(上段)と偏光顕微鏡像(下段)。
bは筒が一方向に配向している様子が分かる。
http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/press/2015/20150929_2/fig3.jpg
図3 らせん空孔が大面積で完全に配向した有機ゼオライトよりなるポリマーフィルム
a, 合成直後のフィルムの模式図(上段)、外観(中段)、および偏光顕微鏡像(下段)。b, ゲスト分子を包摂させたフィルムの模式図(上段)、外観(中段)、および偏光顕微鏡像(下段)。
http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/press/2015/20150929_2/fig4.jpg
図4 小角X線散乱測定により明らかとなったらせん空孔の構造
A:筒状の二重らせんが蜂の巣状に充填された構造。B:個々の二重らせんの構造
要旨
理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター創発生体関連ソフトマター研究チームの石田康博チームリーダーらの研究チーム※は、らせん状のナノ空孔が数平方センチメートル(cm2)の大面積にわたり同一方向に並んだ、全く新しいタイプの有機ゼオライト[1]の開発に成功しました。
近年、ゼオライトや金属有機構造体(MOF)[2]に代表される、規則正しく並んだ空孔を持つ材料が注目を集めています。空孔のサイズ・形状・組成を適切に設計することにより、狙いの分子を空孔内に捕捉することができる多孔性材料は、分子を貯蔵・配列したり、似ていても性質が異なる分子と識別・分離したり、あるいは別の分子へと変換したりする上で、極めて有用なツールです。
実際に、ガス吸蔵材、排気ガスフィルタ、固体触媒などとして利用されています。しかし、多孔性材料の開発では、未だに達成されていない課題が残されています。まず、空孔の向きを大面積でそろえることが極めて困難であり、空孔の向きがそろった区域は数平方マイクロメートル(μm2、1μmは100万分の1メートル)からせいぜい数平方ミリメートル(mm2、1mmは1000分の1メートル)程度にしかなりません。また、加工性や柔軟性に乏しいため、ほとんどの多孔性材料は粉末として、あるいは粉末を固めた塊として利用されています。さらに、非対称な形状の空孔を作ることが難しく、とりわけキラリティ[3]を持つ空孔の開発は、医農薬・食品添加物・光学材料を扱う分野で待ち望まれているにも関わらず、実用に耐えるものはありません。これらの課題を解決した理想的な多孔性材料が得られれば、学術・実用の両面で革新的な物質となる可能性があります。
研究チームは、結晶に準ずる規則構造を持ちながらも、重合反応や磁場配向を許容する自由度を持ち、なおかつキラリティを持たせることも容易な材料である「液晶」に着目しました。キラルな筒状構造の液晶を磁場で配向させた後、全体を重合反応で固めることにより、らせん状のナノ空孔が数cm2の大面積にわたって同一方向に並んだ多孔性材料の合成に成功しました。
続きはソースで
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a:重合性カルボン酸とキラルなアミンとを等モルで混合する。b:カルボン酸とアミンとの塩から筒状構造の液晶を構成し、これを磁場により大面積で配向させる。c:磁場により大面積配向した筒状構造の液晶を重合し、構造固定する。d: 重合後の構造体から鋳型となるアミンを除去し、空孔をつくる。e:得られた空孔に、カチオン性または塩基性のゲスト分子を包摂(包み込むこと)させる。
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図2 磁場による液晶の大面積配向
a:磁場をかけないでつくった液晶フィルムの模式図(上段)と偏光顕微鏡像(下段)。
b:磁場をかけてつくった液晶フィルムの模式図(上段)と偏光顕微鏡像(下段)。
bは筒が一方向に配向している様子が分かる。
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図3 らせん空孔が大面積で完全に配向した有機ゼオライトよりなるポリマーフィルム
a, 合成直後のフィルムの模式図(上段)、外観(中段)、および偏光顕微鏡像(下段)。b, ゲスト分子を包摂させたフィルムの模式図(上段)、外観(中段)、および偏光顕微鏡像(下段)。
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図4 小角X線散乱測定により明らかとなったらせん空孔の構造
A:筒状の二重らせんが蜂の巣状に充填された構造。B:個々の二重らせんの構造
要旨
理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター創発生体関連ソフトマター研究チームの石田康博チームリーダーらの研究チーム※は、らせん状のナノ空孔が数平方センチメートル(cm2)の大面積にわたり同一方向に並んだ、全く新しいタイプの有機ゼオライト[1]の開発に成功しました。
近年、ゼオライトや金属有機構造体(MOF)[2]に代表される、規則正しく並んだ空孔を持つ材料が注目を集めています。空孔のサイズ・形状・組成を適切に設計することにより、狙いの分子を空孔内に捕捉することができる多孔性材料は、分子を貯蔵・配列したり、似ていても性質が異なる分子と識別・分離したり、あるいは別の分子へと変換したりする上で、極めて有用なツールです。
実際に、ガス吸蔵材、排気ガスフィルタ、固体触媒などとして利用されています。しかし、多孔性材料の開発では、未だに達成されていない課題が残されています。まず、空孔の向きを大面積でそろえることが極めて困難であり、空孔の向きがそろった区域は数平方マイクロメートル(μm2、1μmは100万分の1メートル)からせいぜい数平方ミリメートル(mm2、1mmは1000分の1メートル)程度にしかなりません。また、加工性や柔軟性に乏しいため、ほとんどの多孔性材料は粉末として、あるいは粉末を固めた塊として利用されています。さらに、非対称な形状の空孔を作ることが難しく、とりわけキラリティ[3]を持つ空孔の開発は、医農薬・食品添加物・光学材料を扱う分野で待ち望まれているにも関わらず、実用に耐えるものはありません。これらの課題を解決した理想的な多孔性材料が得られれば、学術・実用の両面で革新的な物質となる可能性があります。
研究チームは、結晶に準ずる規則構造を持ちながらも、重合反応や磁場配向を許容する自由度を持ち、なおかつキラリティを持たせることも容易な材料である「液晶」に着目しました。キラルな筒状構造の液晶を磁場で配向させた後、全体を重合反応で固めることにより、らせん状のナノ空孔が数cm2の大面積にわたって同一方向に並んだ多孔性材料の合成に成功しました。
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引用元: ・【材料科学】らせん空孔が大面積で完全に配向した有機ゼオライト 加工性・柔軟性・配向性・キラリティを兼備した夢の多孔性材料 理研
らせん空孔が大面積で完全に配向した有機ゼオライト 加工性・柔軟性・配向性・キラリティを兼備した夢の多孔性材料 理研の続きを読む