1: 2014/11/03(月) 01:00:58.74 ID:???.net
天の川銀河の暗黒物質、遠のく解明
Natalie Wolchover for Quanta Magazine
October 31, 2014
暗黒物質(ダークマター)の決定的な証拠になるかもしれないと科学者たちが望みをかけていた信号は、またしても期待外れだった。
宇宙を満たす目には見えない粒子をめぐり、もどかしい探索が続けられている。
研究者らは今月24日に名古屋市で開かれたフェルミ・シンポジウムで、
「天の川銀河を周回している小規模な“矮小”銀河で暗黒物質が対消滅する際に放出されるガンマ線を探したが、フェルミ広域望遠鏡(LAT)では検出できなかった」と報告した。
昨年、暗黒物質に由来するかもしれないガンマ線がフェルミ望遠鏡のデータを分析する中で現れたが、
さらにデータが蓄積されると、統計上の増加は消えていった。
スタンフォード大学の博士課程修了後の研究者で、フェルミ広域望遠鏡を用いた国際共同研究による新たな解析の中心を担っていたマシュー・ウッド(Matthew Wood)氏は、「もちろん、信号が見つけられなかったことには幾分落胆した」と電子メールで答えた。
研究者たちは、イリノイ州バタビアにあるフェルミ国立加速器研究所の理論天体物理学者ダン・フーパー(Dan Hooper)氏と、当時彼の下にいた大学院生リサ・グッドイナフ(Lisa Goodenough)氏が、説明のつかないガンマ線信号が天の川銀河の中心から出ているのを2009年に発見したのを受けて、矮小銀河に的を絞っていた。
フーパー氏を含む複数の研究者たちは、このガンマ線がWIMP(ウィンプ:物質との電磁気的な相互作用がほとんど無い重い粒子)の形を取った暗黒物質に由来する可能性があるとの考えを示した。
WIMPは、宇宙の質量のうち7分の6を占める目に見えない物質の有力候補だ。
密度の高い銀河の中心で2つのWIMPが衝突すると、対消滅を起こしてガンマ線を放出する。
この興味深いガンマ線信号が対消滅したWIMPの残骸だという可能性は、その後5年でどんどん高まっているように思われた。
しかし専門家の間では、ミリ秒単位で電波を放射する天体、パルサーの未知の集団が銀河の中心にあり、同じ信号がそこからも出ている可能性が知られていた。
明るく高速で回転するパルサーも、ガンマ線を宇宙に放出している。
2つの可能性のうちどちらが正しいのか見極める方法を探して、科学者が注目したのが矮小銀河だ。
暗黒物質が多く存在するが、パルサーはないと考えられている。
矮小銀河からガンマ線があふれ出ていることが分かれば、パルサーに由来する可能性は否定され、WIMPの強力な証拠が得られるはずだった。
しかし、ウッド氏らの研究チームの報告によれば、5年を費やして近傍の矮小銀河15個から得られた最高品質のデータの中に、そのような信号は検出されていないという。
「矮小銀河は、天の川銀河の中心にみられる信号が何なのかはっきり確認できそうな数少ないターゲットの一つだ」とウッド氏は語った。
「この確認が取れなければ、銀河中心のガンマ線超過を暗黒物質と解釈する主張はかなり無理が出てくる」。
(引用ここまで 全文は記事引用元でご覧ください)
▽記事引用元
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20141031002
National Geographic(http://www.nationalgeographic.co.jp/)October 31, 2014
Natalie Wolchover for Quanta Magazine
October 31, 2014
暗黒物質(ダークマター)の決定的な証拠になるかもしれないと科学者たちが望みをかけていた信号は、またしても期待外れだった。
宇宙を満たす目には見えない粒子をめぐり、もどかしい探索が続けられている。
研究者らは今月24日に名古屋市で開かれたフェルミ・シンポジウムで、
「天の川銀河を周回している小規模な“矮小”銀河で暗黒物質が対消滅する際に放出されるガンマ線を探したが、フェルミ広域望遠鏡(LAT)では検出できなかった」と報告した。
昨年、暗黒物質に由来するかもしれないガンマ線がフェルミ望遠鏡のデータを分析する中で現れたが、
さらにデータが蓄積されると、統計上の増加は消えていった。
スタンフォード大学の博士課程修了後の研究者で、フェルミ広域望遠鏡を用いた国際共同研究による新たな解析の中心を担っていたマシュー・ウッド(Matthew Wood)氏は、「もちろん、信号が見つけられなかったことには幾分落胆した」と電子メールで答えた。
研究者たちは、イリノイ州バタビアにあるフェルミ国立加速器研究所の理論天体物理学者ダン・フーパー(Dan Hooper)氏と、当時彼の下にいた大学院生リサ・グッドイナフ(Lisa Goodenough)氏が、説明のつかないガンマ線信号が天の川銀河の中心から出ているのを2009年に発見したのを受けて、矮小銀河に的を絞っていた。
フーパー氏を含む複数の研究者たちは、このガンマ線がWIMP(ウィンプ:物質との電磁気的な相互作用がほとんど無い重い粒子)の形を取った暗黒物質に由来する可能性があるとの考えを示した。
WIMPは、宇宙の質量のうち7分の6を占める目に見えない物質の有力候補だ。
密度の高い銀河の中心で2つのWIMPが衝突すると、対消滅を起こしてガンマ線を放出する。
この興味深いガンマ線信号が対消滅したWIMPの残骸だという可能性は、その後5年でどんどん高まっているように思われた。
しかし専門家の間では、ミリ秒単位で電波を放射する天体、パルサーの未知の集団が銀河の中心にあり、同じ信号がそこからも出ている可能性が知られていた。
明るく高速で回転するパルサーも、ガンマ線を宇宙に放出している。
2つの可能性のうちどちらが正しいのか見極める方法を探して、科学者が注目したのが矮小銀河だ。
暗黒物質が多く存在するが、パルサーはないと考えられている。
矮小銀河からガンマ線があふれ出ていることが分かれば、パルサーに由来する可能性は否定され、WIMPの強力な証拠が得られるはずだった。
しかし、ウッド氏らの研究チームの報告によれば、5年を費やして近傍の矮小銀河15個から得られた最高品質のデータの中に、そのような信号は検出されていないという。
「矮小銀河は、天の川銀河の中心にみられる信号が何なのかはっきり確認できそうな数少ないターゲットの一つだ」とウッド氏は語った。
「この確認が取れなければ、銀河中心のガンマ線超過を暗黒物質と解釈する主張はかなり無理が出てくる」。
(引用ここまで 全文は記事引用元でご覧ください)
▽記事引用元
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20141031002
National Geographic(http://www.nationalgeographic.co.jp/)October 31, 2014
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