1: 2015/08/22(土) 10:22:50.38 ID:???.net
2015年8月22日
理化学研究所
科学技術振興機構

炭素のサッカーボールが集まるとなぜ高温超伝導体になるか
-最先端計算シミュレーションにより長年の謎を解明-

要旨

理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター計算物質科学研究チームの酒井志朗研究員、有田亮太郎チームリーダーと、東京大学大学院工学系研究科野村悠祐大学院生(研究当時)、イタリア国際高等研究所マッシモ・カポネ教授の国際共同研究グループは、分子性固体として最高の超伝導転移温度を持つフラーレン固体の超伝導発現メカニズムを解明しました。

炭素は宝石(ダイヤモンド)になったり、鉛筆の芯(黒鉛)になったりと、さまざまな形態をとるユニークな元素ですが、60個集まるとサッカーボール状のフラーレン分子になることが知られています。
この分子がさらに集まって結晶を作り、隙間にアルカリ原子が挿入されると絶対温度にして約40ケルビン(K)の転移温度を持つ高温超伝導体[1]となりますが、その超伝導発現のメカニズムについては、以下のような未解明の問題があり、なぜフラーレン固体が高温超伝導体になるか、は長く謎に包まれていました。

一般に、超伝導体中の電子はクーパー対[2]と呼ばれるペアをつくって運動します。
これまでの実験的研究からフラーレン固体中でもクーパー対が形成されていることが明らかにされていました。
その一方で、フラーレン分子の中で電子の間には強いクーロン斥力[3]が働くことが知られています。
実際、フラーレン同士の距離を少し広げると、そのクーロン斥力が原因で、超伝導状態からモット絶縁体[4]という絶縁状態に転移してしまいます。
単純に考えると、同じ符号の電荷を持つ電子は、クーロン斥力によりクーパー対の形成が強く阻害されるため、高温超伝導の実現は難しくなると考えられます。
このように、なぜ強いクーロン斥力が働くフラーレン固体中にクーパー対が形成されるのかは長らく未解決のままでした。

国際共同研究グループは、フラーレン固体の結晶構造以外の実験情報を使わずに(非経験的)に超伝導状態を解析する方法論を開発し、スーパーコンピュータを使った大規模数値計算を行いました。

100,000Kのエネルギースケールの電子状態計算からはじめ、どの状態が超伝導に関わるのかに焦点をあわせて、最終的に何度で超伝導転移が起こるかを誤差10K未満という驚くべき精度で再現することに成功しました。
また、超伝導状態の詳細な解析の結果、フラーレン固体では原子の振動(格子振動)とクーロン斥力が特異的に助け合って高温超伝導を実現していることが明らかになりました。
このメカニズムは、格子振動とクーロン斥力が競合しあう従来型の超伝導機構とは本質的に違うものです。

超伝導発現に電子相関が絡む非従来型と呼ばれる超伝導体について、本研究レベルの精度で実験相図を再現した例はなく、方法論開発の面からも新超伝導体の物質設計の可能性を開く成果と言えます。

本研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業総括実施型研究(ERATO)「磯部縮退π集積プロジェクト」(研究総括:磯部寛之)の一環として行われたもので、米国の科学雑誌『Science Advances』(8月21日付け:日本時間8月22日)に掲載されます。

(引用ここまで 全文は引用元参照)

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▽引用元
理化学研究所 2015年8月22日プレスリリース
http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150822_1/

引用元: 【物理】炭素のサッカーボールが集まるとなぜ高温超伝導体になるか 最先端計算シミュレーションにより長年の謎を解明/#理化学研究所_

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