1: 2014/10/04(土) 02:02:58.70 ID:???.net
最新の研究によると、世界中の子どもたちにシーモンキーの名で知られるブラインシュリンプほどの微小動物は、巨大な群れで一斉に泳ぐと海水の流れに並外れた影響をもたらす可能性があるという。

シーモンキー、大きな水流を生み出す

プランクトン、微小海洋生物は単なる漂流者とみなされがちだが、実際には常に受け身でいるわけではない。 多くが高密度の層になって一日中海中で上下に移動している。
この集団の動きは海水を混ぜ合わせるのに十分な ほど大きな水流を生み出しているのかもしれないと、研究の共著者ジョン・ダビリ(John Dabiri)氏は話す。彼 はカリフォルニア州パサデナにあるカリフォルニア工科大学で、生物物理学の研究をしている技術者だ。

もしそうなら、地球の将来の気候を予測するシミュレーションでは、この仕組みによる混ぜ合わせを考慮に入 れる必要があるだろうとダビリ氏は述べている。

風や潮汐がもたらす水流は、海の栄養分や熱、塩分を動かし、地球の温度調節に役立っているとダビリ氏は話す。近年研究者たちは、プランクトンが一斉に上下移動するような動物集団の動きが水流に寄与しうるかどうかについて、真剣に考え始めている。

ダビリ氏らは2009年、クラゲが泳ぐだけで実際にその体長より長い距離にわたって水を動かしていることを発見した。クラゲに一番近い水の層は体に密着しており、この水の“粘性”はクラゲから遠ざかるほど弱まる。クラゲを囲む水の輪は、クラゲの移動に伴って引きずられる。

「これが、動物はその体長よりずっと長い距離にわたって水を運ぶことができるということに気付いた最初のヒントだった」とダビリ氏は話す。

◆シーモンキーの群れを動かす

ダビリ氏と同じくカリフォルニア工科大学に所属する共同研究者モニカ・ヴィルヘルムス(Monica Wilhelmus)氏はこの延長で、オキアミやカイアシなど他の重要な垂直移動する動物を研究している。

オキアミは海ではありふれた存在だが実験室内で維持するのは難しいため、実験にはブラインシュリンプが使用された。ブラインシュリンプは海中で層になって垂直移動するわけではないが、泳ぐ動きはオキアミと似てお り、飼育が容易で強い走光性がある。
このためレーザー光を使用して、実験室内の水槽でブラインシュリンプを移動させることが可能だ。

ダビリ氏らは銀加工した中空のガラス球を水中に入れ、レーザー光を追って水槽中を上下に移動するシーモン キーの群れが生み出す液体の流動を観察した。

シーモンキーの泳ぎで後方に生じる水流は、周囲の水より高速だったとダビリ氏は語る。
この“高速レーン”の縁は周囲の低速水流の縁ともつれ合い、ケルビン・ヘルムホルツ不安定性として知られる渦を生み出し た。

論文では、この渦は成体で15ミリほどのシーモンキーの体長よりずっと大きかったと報告されている。
今回の発見は、これよりずっと大きなプランクトンの群れでは、その泳ぎで生まれる水流によって海水を混ぜ合わすことが可能であることを示唆するものだとダビリ氏は述べている。

今回の研究結果は、9月30日に「Physics of Fluids」誌で報告された。


【参考画像】
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_images/laser-guided-sea-monkey_84229_990x742_600x450.jpg

【National Geographic News】=http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20141003004

引用元: 【生物】シーモンキー、大きな水流を生み出す

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