1: 2015/01/21(水) 23:36:02.53 ID:???.net
掲載日:2015年1月21日

 紀元前79年の伊ベスビオ(Vesuvius)火山の大噴火で黒焦げになった貴重な巻物状の文書が、21世紀の科学技術のおかげで再び読めるようになる可能性があるとの研究論文が20日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された。

 古代ローマ都市ヘルクラネウム(Herculaneum)の遺跡で発見された巻物は、ギリシャの哲学者らが記したと考えられている。同都市は、ポンペイ(Pompeii)の街を壊滅させたのと同じ大噴火に見舞われた。ポンペイは火山灰の厚い層の下に埋もれたが、近隣のヘルクラネウムは激しく舞う火山ガスの爆風にさらされた。このとき、まるで溶鉱炉の熱のような高温がヘルクラネウムを襲い、巻物を黒焦げのもろい状態に変えてしまった。

 古代世界から残存した唯一の書庫の一部であるこれらの炭化した手書き文書は、260年前に大邸宅の遺跡で発見された。邸宅は、古代ローマの裕福な政治家カルプルニウス・ピソ・カエソニヌス(Calpurnius Piso Caesoninus)が所有していたものと考えられている。現在は伊ナポリ(Naples)国立図書館に収蔵されているこれらの巻物は非常に壊れやすく、ちょっとでも触れると粉々になる恐れがある。

 さらに問題なのは、パピルス上の文字がすすでできたインクで書かれていることだ。そのため、黒ずんだ背景上の文字は、肉眼ではほぼ読み取れなくなっている。何が書かれているかを解き明かそうとする試みの中で損傷したり粉々になったりしたパピルス文書があまりに多かったため、考古学者らは失意のうちに調べることを止めてしまっていた。だが、イタリアのマイクロエレクトロニクス・マイクロシステム研究所(Institute for Microelectronics and Microsystems、IMM)などの研究チームが発表した今回の論文では、巻物に書かれた謎の文章が2000年近くぶりに解読される可能性があるとしている。

■10年以内に解読可能に

 研究を率いたIMMの科学者、ビト・モセラ(Vito Mocella)氏は、AFPの取材に「正確な予測をするのは常に難しいことだが、リソースがあれば、巻物は今後10年以内に解読可能になるはずだ」と語った。

 モセラ氏率いる研究チームは「X線位相差断層撮影法(X-ray phase-contrast tomography)」を用いて巻物を非侵襲的に調査した。X線の吸収度合いが物質によって異なるという特性を利用するこのスキャン技術は、医学分野で軟組織の画像を得るために使われている。研究チームは、X線ビームからの信号を処理する目的で専用のアルゴリズムを作成、インクで記された文字と背景のパピルスとの差異を徐々に解明しようとした。

続きはソースで

(c)AFP/Richard INGHAM

<画像>
ベスビオ火山の大噴火に見舞われた古代ローマ都市ヘルクラネウムの遺跡
http://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/a/6/1024x/img_a64ca142d63eb5099a5cd3ac61af2b9c232495.jpg

<参照>
X-rays reveal words in Vesuvius-baked scrolls : Nature News & Comment
http://www.nature.com/news/x-rays-reveal-words-in-vesuvius-baked-scrolls-1.16763

<記事掲載元>
http://www.afpbb.com/articles/-/3037157

引用元: 【考古学】火山噴火で炭化した古代巻物、X線で解読に期待 研究

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