1: 2015/11/08(日) 09:09:55.62 ID:???.net
共同発表:自己免疫疾患を防ぐ遺伝子Fezf2の発見~Fezf2は自己抗原の発現を制御し免疫寛容を成立させる~
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151106/index.html
画像
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151106/icons/zu1.gif
図 胸腺内のT細胞の選別に必要な転写因子Fezf2のはたらき
胸腺は心臓の上部前方に位置する独立した臓器であり、転写因子Fezf2は胸腺上皮細胞の中で自己抗原の遺伝子を直接的に発現制御している。それらを認識する自己反応性のT細胞は胸腺内で除去されることで、免疫寛容を成立させている。生き残ったT細胞は、外来の病原菌などの侵入を防ぎ、獲得免疫系で中心的な役割を担う。
ポイント
生体防御において重要な役割を果たすリンパ球の1つであるT細胞は胸腺と呼ばれる臓器で分化・成熟し、自分の成分(自己抗原)に反応しないよう教育される(免疫寛容)。この際に転写因子Fezf2が自己抗原をつくり、T細胞の選別を行うことを見いだした。さらに、Fezf2が全身の自己免疫疾患の発症を防いでいることを明らかにした。
すべての自己抗原が胸腺でどのように発現しT細胞を教育しているのか、これまでよく分かっていなかった。今回、胸腺上皮細胞の転写因子Fezf2が、多くの自己抗原の発現を直接的に制御していることが明らかとなり、免疫寛容を作りあげる基本的な仕組みが解明された。
高等生物の免疫系の仕組みの基本原理の理解につながる、免疫寛容が成立するメカニズムを解明した。将来的に、現在では原因が不明な多数の自己免疫疾患の病態解明や、自己免疫疾患に対する新しい治療法の確立に役立つことが期待される。
関節リウマチなど、免疫系が自分の体を攻撃してしまう病気は自己免疫疾患注1)と呼ばれています。自己免疫疾患の患者数は、日本国内だけでも数百万人と見積もられています。この自己免疫疾患の主な原因は、T細胞注2)が自己の成分(自己抗原注3))を認識することによる過剰な免疫応答であると考えられています。
T細胞は心臓の上部前方に位置する臓器である胸腺において分化・成熟します。その過程では、抗原を認識するタンパク質であるT細胞抗原受容体がランダムに作られるため、自己抗原に反応するT細胞が必然的に生まれてしまいます。従って、自分の体を誤って攻撃してしまうことがないよう、そのような自己反応性のT細胞は胸腺内で除去されています。しかし、どのようなメカニズムで自己抗原をつくり、自己反応性のT細胞を選別しているのかは、よく分かっていませんでした。
この度、東京大学 大学院医学系研究科病因・病理学専攻 免疫学分野の高場 啓之 特任研究員と高柳 広 教授らの研究グループは、胸腺に発現し、自己反応性T細胞の選別に関わる転写因子注4)Fezf2を見いだしました。Fezf2は胸腺の上皮細胞で、体の至るところで機能している遺伝子を発現させています。自己抗原が胸腺で作られることにより、それに反応するT細胞を選別し、除去できるのです。Fezf2を持たない遺伝子改変マウスを調べたところ、自己抗体の産生や自己の組織を破壊するといった自己免疫疾患のような症状が見られました。この結果は、Fezf2がさまざまな自己免疫疾患の発症を抑えていることを示しています。今回、解明された免疫寛容注5)が成立するメカニズムは、高等生物の獲得免疫注6)システムの基本原理の理解につながることが期待されます。また、現状では原因の分かっていない自己免疫疾患の発症機序の解明や新たな治療法の確立に役立つと考えられます。
本成果は国際科学誌「Cell」オンライン版に、2015年11月5日正午(米国東部時間)に掲載されます。
続きはソースで
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151106/index.html
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図 胸腺内のT細胞の選別に必要な転写因子Fezf2のはたらき
胸腺は心臓の上部前方に位置する独立した臓器であり、転写因子Fezf2は胸腺上皮細胞の中で自己抗原の遺伝子を直接的に発現制御している。それらを認識する自己反応性のT細胞は胸腺内で除去されることで、免疫寛容を成立させている。生き残ったT細胞は、外来の病原菌などの侵入を防ぎ、獲得免疫系で中心的な役割を担う。
ポイント
生体防御において重要な役割を果たすリンパ球の1つであるT細胞は胸腺と呼ばれる臓器で分化・成熟し、自分の成分(自己抗原)に反応しないよう教育される(免疫寛容)。この際に転写因子Fezf2が自己抗原をつくり、T細胞の選別を行うことを見いだした。さらに、Fezf2が全身の自己免疫疾患の発症を防いでいることを明らかにした。
すべての自己抗原が胸腺でどのように発現しT細胞を教育しているのか、これまでよく分かっていなかった。今回、胸腺上皮細胞の転写因子Fezf2が、多くの自己抗原の発現を直接的に制御していることが明らかとなり、免疫寛容を作りあげる基本的な仕組みが解明された。
高等生物の免疫系の仕組みの基本原理の理解につながる、免疫寛容が成立するメカニズムを解明した。将来的に、現在では原因が不明な多数の自己免疫疾患の病態解明や、自己免疫疾患に対する新しい治療法の確立に役立つことが期待される。
関節リウマチなど、免疫系が自分の体を攻撃してしまう病気は自己免疫疾患注1)と呼ばれています。自己免疫疾患の患者数は、日本国内だけでも数百万人と見積もられています。この自己免疫疾患の主な原因は、T細胞注2)が自己の成分(自己抗原注3))を認識することによる過剰な免疫応答であると考えられています。
T細胞は心臓の上部前方に位置する臓器である胸腺において分化・成熟します。その過程では、抗原を認識するタンパク質であるT細胞抗原受容体がランダムに作られるため、自己抗原に反応するT細胞が必然的に生まれてしまいます。従って、自分の体を誤って攻撃してしまうことがないよう、そのような自己反応性のT細胞は胸腺内で除去されています。しかし、どのようなメカニズムで自己抗原をつくり、自己反応性のT細胞を選別しているのかは、よく分かっていませんでした。
この度、東京大学 大学院医学系研究科病因・病理学専攻 免疫学分野の高場 啓之 特任研究員と高柳 広 教授らの研究グループは、胸腺に発現し、自己反応性T細胞の選別に関わる転写因子注4)Fezf2を見いだしました。Fezf2は胸腺の上皮細胞で、体の至るところで機能している遺伝子を発現させています。自己抗原が胸腺で作られることにより、それに反応するT細胞を選別し、除去できるのです。Fezf2を持たない遺伝子改変マウスを調べたところ、自己抗体の産生や自己の組織を破壊するといった自己免疫疾患のような症状が見られました。この結果は、Fezf2がさまざまな自己免疫疾患の発症を抑えていることを示しています。今回、解明された免疫寛容注5)が成立するメカニズムは、高等生物の獲得免疫注6)システムの基本原理の理解につながることが期待されます。また、現状では原因の分かっていない自己免疫疾患の発症機序の解明や新たな治療法の確立に役立つと考えられます。
本成果は国際科学誌「Cell」オンライン版に、2015年11月5日正午(米国東部時間)に掲載されます。
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引用元: ・【免疫学】自己免疫疾患を防ぐ遺伝子Fezf2の発見 Fezf2は自己抗原の発現を制御し免疫寛容を成立させる 東大
自己免疫疾患を防ぐ遺伝子Fezf2の発見 Fezf2は自己抗原の発現を制御し免疫寛容を成立させる 東大の続きを読む