1: 2018/12/26(水) 15:27:00.87 ID:CAP_USER
■過去生産された83億トンのプラスチックの大半が焼却や埋め立て地に行く運命

 プラスチックの大量生産は、ほんの60年前に始まった。以来、どんどん拡大し、これまでに「83億トン」のプラスチックが生産されたと推定されている。プラスチック製品の大半が使い捨てで、ごみとなるのだ。捨てられたプラスチックは、焼却されたり埋め立て地や自然に放置される。83億トンという数字はピンとこないだろうが、プラスチックの量を見積もった科学者たちにとっても初めて知る数字でその量に驚かされた。

 米ジョージア大学の環境工学者で海洋のプラスチックごみの研究をしているジェンナ・ジャムベック氏は、「1950年から今日までプラスチックの生産量が急激に増えたことは分かっていましたが、これまで生産されたプラスチックの総量が83億トンというのは衝撃的でした」と話す。

「このままプラスチック利用が増加していったら、世界のごみ処理システムは破綻してしまいます。海洋にごみが漏れ出してしまったのは、そのせいでもあります」と彼女は言う。焼却されるプラスチックはわずか12%に過ぎず、リサイクルされるものは約9%に過ぎない。残りの79パーセントはやがてごみとなる運命だ。プラスチックが分解されるには400年以上かかるため、ほとんどが形を留めたままで放置されることになる。

 海に流れ込むプラスチックごみの量の多さと、それが鳥や海獣や魚に及ぼす悪影響に危機感をつのらせた科学者たちが今回の研究を立ち上げたのは2年前のことだった。今世紀半ばまでに、地球の海にあふれ出したプラスチックごみは魚の量を超えるという彼らの予想は、よく引用される数値となり、そうした事態を「防がなければ」という声を増やすことになった。

■管理には測定が不可欠

 ジェンナ・ジャムベック氏も参加した研究は、科学誌「Science Advances」に2017年7月に掲載された。今日までに生産されたプラスチックの量とその後を世界規模で分析したところ、これまでに生産された83億トンのプラスチックのうち63億トンがプラスチックごみとして放置されているとしている。リサイクルされたプラスチックは9%で、大部分(79%)が埋め立て地に運ばれたり、自然環境に散乱したりしている。そして、その多くが最終的には海洋に流れ込む。

 この傾向が続けば、2050年までに埋め立て地には120億トンのプラスチックが運び込まれることになる。これはエンパイア・ステート・ビルの重さの3万5000倍に相当する量だ。

 論文の筆頭著者ローランド・ガイヤー氏は、プラスチック製品を、よりよく管理する仕組みを打ち立てようとしている。「測定していないものは管理できませんから」と彼は言う。「人間は大量のプラスチック製品を生産しているだけでなく、年々、その量を増やしているのです」

 研究では、プラスチック製品に使われた樹脂と繊維の半分は、過去13年の間に作られたものだとしている。なかでも中国は、世界の樹脂の28%と、ポリエステルポリアミドとアクリル繊維の68%を1国で生産する。


 現在、カリフォルニア大学サンタバーバラ校で産業生態学の教授をしているガイヤー氏はもともとエンジニアだった。彼はさまざまな金属を調べ、その利用法と管理法を研究してきた。プラスチックの生産量は15年ごとに倍増し、このペースは人間が作り出す他の素材よりも増え方が速いという。加えて、生産されたプラスチックの半分が1年未満にごみになることも分かった。これは、建築資材に使われる鋼鉄の寿命が数十年あるのと対照的だ。

続きはソースで

ナショナルジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/122500569/
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引用元: 【環境】これまでに「83億トン」リサイクルは1割弱 ごみのまま処分されるプラスチック[12/26]

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