1: 2018/03/06(火) 18:46:41.65 ID:CAP_USER
年明けの1月11日、雑誌「Nature communications」に一報の論文が発表されました。

 「Discovery of Superconductivity in Quasicrystal」。
日本語なら「準結晶中での超伝導状態の発見」とでも訳しましょうか。

 名古屋大学、豊田工業大学、東北大学、豊田理化学研究所などのグループが達成した、人類史的な価値をもつ大業績と思います

 一定の確率でノーベル賞が出て不思議ではない驚くべき成果ですが、ことさらに大メディアが騒ぎ立てたりすることはありませんでした。

 まあ、記事の編集担当デスクが理解できなければ仕方のない、いつものことですが、今回はこの「準結晶の超伝導」の何が凄いのか、簡単に解説してみたいと思います。

■準結晶とは何か?

 まず最初に「準結晶(Quasicrystal)」とは何か、から話を始めなければなりません。
ワープロに「じゅんけっしょう」と入力すると「準決勝」と変換される程度に、世間にはほとんど知られていない物質の形態と思います。

 原子分子レベルで見ると「結晶」は、ちょうど公園などにあるジャングルジムのようにアトムが規則正しく並んだ構造を取っています。

 こうした「結晶」は「並進対称性」と呼ばれる規則性を持ちます。
分かりやすい例としてオランダの版画家M.C.エッシャーの作品をリンクしておきましょう。

 例えばこの「鳥による平面の規則分割
(参照=http://www.mcescher.com/gallery/back-in-holland/regular-division-of-the-plane-with-birds/)」という作品は、ちょうど、床や壁をタイルで覆い尽くすような意味で、2次元平面を完全に充填します。

 ここで、一部を切り出して別の部分に平行移動すると、完全に重なり合う。
こういう特徴を「並進対称性」といいます。

 さて、世の中にはこういう充填とは別に、平行移動では決して重なり合わない、面や空間の充填の仕方があります。

 例えば、イスラム教のモスク建築には、壮麗な幾何学模様のタイル張りの埋め尽くしが見られます。

 いくつか例を挙げて見ましょう。

 例えばこういうもの(参照=https://en.wikipedia.org/wiki/Girih_tiles)はギリーと呼ばれます。
英文のイスラム文様のウィキペディアには、尖塔の屋根を埋め尽くす曲面パターン
(参照=https://en.wikipedia.org/wiki/Islamic_geometric_patterns)なども紹介されています。

 あるいはこんなもの(参照=http://archive.aramcoworld.com/issue/200905/the.tiles.of.infinity.htm)もある。

 最後のリンクには、こうしたモザイクの幾何学模様を数学的に整理した英国の数理物理学者ロジャー・ペンローズ
https://en.wikipedia.org/wiki/Roger_Penrose)の名が挙げられています。

 ペンローズは1974年、2種類のひし形を組み合わせて空間を充填しながら、決して平行移動では重ね合わせができないパターンを見出し発表します。

 「ペンローズ・タイル」と呼ばれるパターンで、非周期的でありながら空間を埋め尽くす特異な幾何学構造として注目を集めます。

 ペンローズとエッシャーの間には親交があり、ペンローズの見出した数理構造に影響を受けた作品をエッシャーは発表しましたが、残念ながら版画家は1972年に亡くなってしまいました。
そのためペンローズ・タイルの幾何を応用した作品は残されていません。

続きはソースで

画像:すでに様々に利用されている超電導。
写真は超電導磁石を使った独西部グライフスバルトのマックスプランク・プラズマ物理学研究所にある核融合装置「ベンデルシュタイン7-X」。
http://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/d/6/600w/img_d6f6919603dce4f3d888c74c10696df8201375.jpg

JBpress
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52503
ダウンロード


引用元: 【物理学】ノーベル賞間違いなし、日本発「準結晶超伝導転移」[03/06]

ノーベル賞間違いなし、日本発「準結晶超伝導転移」の続きを読む