1: 2015/03/03(火) 22:13:56.78 ID:???.net
掲載日:2015年3月3日
http://news.mynavi.jp/news/2015/03/03/358/

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 ナノマシンの将来性を広げる成果が出た。「ナノのこま」と呼ばれる世界最小のカーボンナノチューブ分子ベアリングの動きを、東北大学大学院理学研究科の磯部寛之(いそべ ひろゆき)教授と河野裕彦(こうの ひろひこ)教授らが最先端の理論計算で解明した。2種類の異なる回転が存在し、低温では歳差運動が主体、高温ではそこに自転運動が加わることを突き止めた。新知見を分子設計に活用すれば、ナノサイズの運動を自在に制御できそうだ。2月18日付の英王立化学会誌ケミカルサイエンスに発表した。その様子を動画でも公開した。

 研究グループは2013年、多数の炭素原子だけからなる「カーボンナノチューブ分子ベアリング」を大量合成した。カーボンナノチューブ分子を外枠に、サッカーボールのようなフラーレンを回転子とした直径1.4ナノメートル(ナノは10億分の1)のベアリングである。分光分析で、この分子ベアリングでは回転子がこまのように盛んに回っていることがわかっていた。
温度を変えると、回転運動が何か変化するが、その実体は謎だった。

 この謎解きに理論で取り組み、実験化学者と理論化学者が共同してカーボンナノチューブ分子ベアリングの回転の詳細を明確にした。まず、この分子ベアリングの理論分析に適した手法を探索した。10種を超える手法から、平尾公彦(ひらお きみひこ)理化学研究所計算科学研究機構長らが開発した密度汎関数 LC-BLYP法が最適で、実験的な熱力学エネルギーを精度よく捉えることを見いだした。この計算法でカーボンナノチューブ分子ベアリングの回転を再現した。

 その結果、分子ベアリングの回転には歳差運動と自転運動という2種類の異なる動きがあることを見つけた。さらに、温度が低い低エネルギー状態のときには、歳差運動が主に起こっており、温度を上がって高エネルギー状態になるにつれて、自転運動が加わっていくことを確かめた。この2種類の運動の存在と、温度による変化が、分光による解析を困難にしていた原因だった。

続きはソースで

<画像> 
図. カーボンナノチューブ分子ベアリングの回転運動の詳細。外側のベアリング(赤)の中で、回転子(灰色)が回転する。 
低温(低エネルギー状態)では歳差運動のみだが、高温(高エネルギー状態)では 歳差運動に自転運動が加わる。(提供:東北大学) 
http://news.mynavi.jp/news/2015/03/03/358/images/001l.jpg 

歳差運動(www.orgchem2.chem.tohoku.ac.jpより転載) 
http://www.orgchem2.chem.tohoku.ac.jp/PrecMovie.gif 

自転運動(同上) 
http://www.orgchem2.chem.tohoku.ac.jp/SpinMovie.gif 

<参照> 
共同発表:「ナノサイズのコマ」も「歳差運動」と「自転運動」の二種で回る 理論が解き明かすカーボンナノチューブ分子ベアリングの回り方 
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150302/ 

Theoretical studies on a carbonaceous molecular bearing: association thermodynamics and dual-mode rolling dynamics - Chemical Science (RSC Publishing) 
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2015/sc/c5sc00335k#!divAbstract 

Seeking for new molecular architectures 
http://www.orgchem2.chem.tohoku.ac.jp/Main/Research.html

引用元: 【化学/分子動力学】ナノのこまも歳差と自転の運動で回る - 東北大

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