1: ニュース二軍+板記者募集中!@pureφ ★ 2013/06/02(日) 03:30:34.17 ID:???

将来の有人火星探索における放射線曝露
Radiation on a Future Manned Mission to Mars

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長い間SF のテーマであった火星への有人宇宙飛行に関連する放射線の害について、新しい報告により洞察がもたらされた。この報告では、2011 年と2012 年に火星の表面に探索機キュリオシティを運んだ宇宙船、マーズ・サイエンス・ラボラトリー(MSL)が経験した放射線環境について詳細が述べられている。

深宇宙での宇宙船における放射線曝露を評価したこれまでの研究は、この環境を遮蔽されない宇宙船で測定しており、その結果は、遮蔽装置で防護された宇宙船に乗って火星のみ、あるいはその他の深宇宙の目的地に向かって飛行する人間にもたらしうる害についての情報がほとんど得られなかった。

このような宇宙飛行の往復には数年かかり、乗船している物や人間は大量の銀河宇宙線(GCRS)や太陽高エネルギー粒子(SEP)に曝露される。宇宙船が吸収する放射線の特徴を明らかにすることは、宇宙船を改良して、宇宙飛行士の将来の飛行をより安全なものにするために極めて重要である。

今回Cary Zeitlin らは、たとえばアポロ宇宙船と比較してはるかに厳重な、複雑な遮蔽装置によって防護されたMSL 内のGCR およびSEP による放射線の詳細な測定データを報告した。253 日間にわたるMSL の火星への行程のほとんどにおいて、高エネルギー粒子測定装置(RAD)と呼ばれる機械により、MSL 内の高エネルギー粒子放射線環境について詳細な測定が行われた。

MSL で用いられている遮蔽装置は、深宇宙を目指す将来の有人宇宙旅行で使われであろうものと類似
しているため、MSL の船内から報告された線量は現実的な数値である。

今回の測定結果に基づいてZeitlin らは、火星への往復飛行を行った場合に宇宙飛行士が受けるであろう放射線量は、飛行士の生涯許容線量の限界値にかなり近いものとなるとしている。火星の表面で過ごす時間を考慮すると、被曝量はさらに増大するであろう。

Zeitlin らによる報告は、いつの日か人を乗せて火星にいくことになる宇宙船の遮蔽技術の改良を促進するであろう。これは、宇宙飛行船モデル開発という試行錯誤のプロセスにおける重要な最初の一歩である。

Science 2013 年5 月 31 日号ハイライト
http://www.eurekalert.org/pub_releases/translations/sci053113jp.pdf

Measurements of Energetic Particle Radiation in Transit to Mars on the Mars Science Laboratory
C. Zeitlin, D. M. Hassler, F. A. Cucinotta, B. Ehresmann, R. F. Wimmer-Schweingruber, D. E. Brinza, S. Kang,
G. Weigle, S. Bottcher, E. Bohm, S. Burmeister, J. Guo, J. Kohler, C. Martin, A. Posner, S. Rafkin, G. Reitz
Science 31 May 2013: Vol. 340 no. 6136 pp. 1080-1084 DOI: 10.1126/science.1235989
http://www.sciencemag.org/content/340/6136/1080

火星往復、一度で飛行士引退の被曝量…NASA

【ワシントン=中島達雄】地球と火星を往復すると、許容限度近くか、それを超える宇宙放射線を浴びる
可能性があるという研究を米航空宇宙局(NASA)のチームがまとめた。

 火星に送り込んだ無人探査車キュリオシティに測定器を付け、宇宙船内に飛行士がいる場合のデータを解析した。それによると、地球―火星を1年で往復したとすると、660ミリ・シーベルト前後の放射線を浴びる。

 地球上で自然界から浴びる放射線は、世界平均で年2・4ミリ・シーベルトで、その275倍に当たる量だ。火星に着陸して作業などをすれば、被曝(ひばく)量はさらに増える。

 NASAは宇宙飛行士ががんになる危険性を抑えるため、被曝量に制限を設けており、30歳で宇宙を初飛行する場合、男性は生涯で800ミリ・シーベルト、女性は600ミリ・シーベルトを超える放射線を浴びてはならない。一度、火星まで往復すれば、飛行士を引退することになる。

読売新聞 2013年6月1日18時49分
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130601-OYT1T00550.htm

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http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1369055059/-100



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