~~引用ここから~~

1: Cancer ★@\(^o^)/ 2014/06/03(火) 06:47:09.27 ID:???.net

進化がコオロギの沈黙を引き起こした
ハワイ諸島の2つの島に棲息する雄コオロギが寄生虫を避けるために同時にほんの数年で音を消した。
Katia Moskvitch, 29 May 2014

フラット翅の雄コオロギ。
http://www.nature.com/polopoly_fs/7.17597.1401382183!/image/1.15323.jpg_gen/derivatives/landscape_300/1.15323.jpg

ハワイ諸島の2つの島にいる雄コオロギの個体群が、別々だが同時に、翅に起こった 進化的適応の結果として鳴く能力を失った。これは雄コオロギが寄生バエを引きつけるのを避けるための適応だ。この変化は、島ごとに独立してたった20世代のうちに起こり、人間の目でも観察できたことが研究で明らかになった。

この研究結果は収斂進化(別々のグループや個体群が自然選択への応答で独立に似た適応を進化させること)の最初期段階の解明に役立つだろう。

雄のナンヨウエンマコオロギ(Teleogryllus oceanicus)は鳴き声でよく知られていて、その音は翅を互い違いに擦り合わせて作られる。翅の脈は特別な構造を形成していて、我々がコオロギの鳴き声として聞く振動を作ることができる。「機構は櫛目のやすりで爪を擦るようなものだ」と研究のリーダーでセント・アンドルーズ大学(英国)の進化生物学者の、ネイサン・ベイリー(Nathan Bailey)は話した。

夜ごとのセレナーデは雌を誘い出し、繁殖をうながす。しかし不幸なことにハワイの雄にとって、鳴き声は致死的な寄生バエであるオルミア・オクラケア(Ormia ochracea)もおびき寄せてしまう。このハエの幼虫はコオロギに穿孔して中で成長し、1週間前後して羽化するときに宿主を◯してしまう。

両種ともハワイにやって来たのは前世紀末だと考えられている(コオロギはオセアニアから、ハエは北アメリカから)。新しい敵から自分の身を守るために、ハワイのカウアイ島に棲息する多数の雄コオロギがすぐに鳴くのを止めた。

◆闘いの歌

この変化は翅の形を変えて鳴き声を作れなくする変異によって起きたと考えられている。
この芸当は20世代以内という、進化学的にはまばたきに等しい期間のうちに達成された。
コオロギの一生が数週間であることを考えれば、非常に急速なプロセスだ。2003年までに、カリフォルニア大学リバーサイド校のマーリーン・ズック(Marlene Zuk)は最大で95%のカウアイ島にいる雄コオロギがもはや鳴かないことを発見した。この変異は音を作るのに役立つほぼ全ての翅の構造を消去し、フラットだが飛行には耐える翅が残されていた。

それから2年後の2005年、カウアイ島から101キロメートル離れたオアフ島の雄コオロギも沈黙し始めた。現在、オアフ島の約半分の雄が鳴かないことをベイリーは発見した。

彼のチームは2つ以上の個体群に沈黙変異が存在することに興味を持った。研究者たちは単純にフラット翅がカウアイ島からオアフ島に、たぶんボートや飛行機に乗って移住したのだと推測した。

>>2以降につづく

ソース:Nature News(29 May 2014)
Evolution sparks silence of the crickets
http://www.nature.com/news/evolution-sparks-silence-of-the-crickets-1.15323

原論文:Current Biology
Sonia Pascoal, et al. 2014. Rapid Convergent Evolution in Wild Crickets
http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960982214005247

プレスリリース:Cell Press/EurekAlert!(29-May-2014)
There's more than one way to silence a cricket
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-05/cp-tmt052214.php


引用元: 【進化生物学】ハワイの島々でコオロギが沈黙 急速な収斂進化の例


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