1: 2015/02/13(金) 23:38:49.25 ID:???.net
掲載日:2015年2月13日
http://news.mynavi.jp/news/2015/02/13/025/

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 紀伊半島の東南に位置する南海トラフ熊野海盆の海底泥火山から掘削された堆積物に、最高310℃と推定される高温を経験した水の成分が含まれることを、海洋研究開発機構の西尾嘉朗(にしお よしろう)技術主任らが見いだした。
南海トラフ地下深部の情報を伝える新しい手がかりになる。琉球大学理学部の土岐知弘(とき ともひろ)助教らと共同研究で、1月28日付の国際科学誌Earth and Planetary Science Lettersオンライン版に発表した。

 泥火山は、地下深部で形成された水分を多く含む泥質堆積物が表層に噴き上がってできた円すい形の高まりで、火山とは異なる。これまで、熊野海盆の海底泥火山に含まれる水は温度が60~150℃付近(推定海底下5km)の粘土鉱物の脱水に由来すると考えられてきたが、今回の研究で初めて、210~310℃付近(推定海底下15km)の履歴を持つ水が含まれていることがわかった。南海トラフの海底下深部の複雑な水の動きを示すもので、巨大地震が繰り返し起きるプレート境界の地殻変動や物質循環を理解するのに寄与しそうだ。

 日本近海では、紀伊半島南東沖の熊野灘や種子島沖の南海トラフ沿いに多数の泥火山が確認されている。それらの泥火山には、科学掘削で直接採取することが難しい大深度の物質が含まれている。研究グループは、地球深部探査船「ちきゅう」が2009年と12年に熊野海盆第5泥火山の山頂から採取した掘削コア試料で、泥火山に含まれる間隙水を分析した。

 間隙水中のリチウム(Li)の同位体比(7Li/6Li比)に着目した。Liは高温で岩石から水に溶出する性質を持つ。高温を経験した深部流体は海水などに比べて軽い6Liを多く含むことが知られており、この性質を利用して、泥火山の形成に寄与した水の起源や温度履歴を探った。同位体比の分析の結果、熊野海盆第5泥火山から採取された掘削コア試料の間隙水には、軽いLi同位体組成(低7Li/6Li比)を持つLiが多く含まれることがわかった。

続きはソースで
<画像>
地図. 南海トラフの熊野海盆第5泥火山の位置(左)と、その周辺の詳細な海底地形図(右)(提供:海洋研究開発機構)
http://news.mynavi.jp/news/2015/02/13/025/images/001l.jpg

グラフ. 水と岩石のLi同位体比の違いから温度推定する方法の概念図(提供:海洋研究開発機構)
http://news.mynavi.jp/news/2015/02/13/025/images/002l.jpg

図. 約300℃(もしくはそれ以上)の深部由来の水の上昇が、南海トラフ熊野灘の海底泥火山に供給される経路を示した模式図。
地震の震源域に近い深度からの水の供給は、泥火山の形成要因のみならず、地殻変動に影響を与えている可能性がある。
(提供:海洋研究開発機構)
http://news.mynavi.jp/news/2015/02/13/025/images/003l.jpg

<参照>
プレスリリース<海洋研究開発機構
http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20150210/

Origins of lithium in submarine mud volcano fluid in the Nankai accretionary wedge
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0012821X15000394

引用元: 【地球物理】熊野沖の南海トラフで高温履歴の水検出 - 海洋研究開発機構

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