1: 2016/06/30(木) 12:30:41.89 ID:CAP_USER
【プレスリリース】半導体の基礎物理学における新たな発見~半導体中に磁性をもつ原子を加えて強磁性にすることにより、伝搬する電子の散乱が抑えられ秩序が回復する特異な現象を初めて観測~ - 日本の研究.com
https://research-er.jp/articles/view/47842
1.発表者:
宗田 伊理也 (研究当時:東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻特任研究員
/現在:東京工業大学工学院助教)
大矢 忍 (東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻・総合研究機構准教授)
田中 雅明 (東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻教授
スピントロニクス連携研究教育センターセンター長)
2.発表のポイント:
•磁性不純物マンガン(Mn)を半導体ガリウムヒ素中に添加してその濃度を増加させた際に、半導体の強磁性転移に伴い電流を担うキャリア(正孔)の散乱が抑えられコヒーレンスが増大する特異な現象を観測した(図1)。
•通常の半導体では、添加した不純物の濃度の増加に従い電子や正孔の散乱が強くなりコヒーレンスが低下すると理解されてきたが、本研究ではこの半導体物理学の常識とは全く逆の現象を発見した。
•本研究の結果は、電子や正孔の散乱が強く高速動作が難しいとされてきた磁性不純物を含む半導体を用いて、高速で動作する量子スピントロニクスデバイスを実現できる新たな可能性を示している。
3.発表概要:
半導体デバイスにおいて、電流の担い手であるキャリア(電子または正孔、注1)の波(波動関数)の乱れを抑えることは、デバイスの特性を向上させる上で極めて重要な課題です。半導体では、素子に電流を流すために、不純物を添加して抵抗を下げる方法が広く用いられていますが、不純物濃度の増加に伴い半導体中の電子や正孔の波動関数は強く乱され、デバイスの特性は劣化します。これは、半導体では古くから知られている大きな問題で、固体物理学や半導体物理学の常識でした。今回、東京大学大学院工学系研究科の宗田伊理也特任研究員、大矢忍准教授、田中雅明教授らの研究グループは、半導体ガリウム砒素(GaAs)に磁性不純物マンガン(Mn))を添加して、共鳴トンネル分光法(注2)という手法を用いて、キャリアの波動関数がどの程度乱されるかを詳細に調べました。その結果、Mn濃度が0.9%よりも低いときは、予想通りMn濃度の増大に伴い単調に波動関数の乱れが大きくなるのに対して、Mn濃度が0.9%に達し強磁性転移が起こると、波動関数の乱れが突如として強く抑制され、正孔のコヒーレンス(注3)が増大することが明らかになりました(図1)。この特異な現象は、将来、高速で動作する量子スピントロニクスデバイスの実現につながるものと期待されます。
続きはソースで
https://research-er.jp/articles/view/47842
1.発表者:
宗田 伊理也 (研究当時:東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻特任研究員
/現在:東京工業大学工学院助教)
大矢 忍 (東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻・総合研究機構准教授)
田中 雅明 (東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻教授
スピントロニクス連携研究教育センターセンター長)
2.発表のポイント:
•磁性不純物マンガン(Mn)を半導体ガリウムヒ素中に添加してその濃度を増加させた際に、半導体の強磁性転移に伴い電流を担うキャリア(正孔)の散乱が抑えられコヒーレンスが増大する特異な現象を観測した(図1)。
•通常の半導体では、添加した不純物の濃度の増加に従い電子や正孔の散乱が強くなりコヒーレンスが低下すると理解されてきたが、本研究ではこの半導体物理学の常識とは全く逆の現象を発見した。
•本研究の結果は、電子や正孔の散乱が強く高速動作が難しいとされてきた磁性不純物を含む半導体を用いて、高速で動作する量子スピントロニクスデバイスを実現できる新たな可能性を示している。
3.発表概要:
半導体デバイスにおいて、電流の担い手であるキャリア(電子または正孔、注1)の波(波動関数)の乱れを抑えることは、デバイスの特性を向上させる上で極めて重要な課題です。半導体では、素子に電流を流すために、不純物を添加して抵抗を下げる方法が広く用いられていますが、不純物濃度の増加に伴い半導体中の電子や正孔の波動関数は強く乱され、デバイスの特性は劣化します。これは、半導体では古くから知られている大きな問題で、固体物理学や半導体物理学の常識でした。今回、東京大学大学院工学系研究科の宗田伊理也特任研究員、大矢忍准教授、田中雅明教授らの研究グループは、半導体ガリウム砒素(GaAs)に磁性不純物マンガン(Mn))を添加して、共鳴トンネル分光法(注2)という手法を用いて、キャリアの波動関数がどの程度乱されるかを詳細に調べました。その結果、Mn濃度が0.9%よりも低いときは、予想通りMn濃度の増大に伴い単調に波動関数の乱れが大きくなるのに対して、Mn濃度が0.9%に達し強磁性転移が起こると、波動関数の乱れが突如として強く抑制され、正孔のコヒーレンス(注3)が増大することが明らかになりました(図1)。この特異な現象は、将来、高速で動作する量子スピントロニクスデバイスの実現につながるものと期待されます。
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引用元: ・【物性物理学】半導体中に磁性をもつ原子を加えて強磁性にすることにより、伝搬する電子の散乱が抑えられ秩序が回復する現象を初めて観測 [無断転載禁止]©2ch.net
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