1: 2016/05/08(日) 12:27:20.58 ID:CAP_USER
「渋滞学」の研究、がん治療につながる!? (ニュースイッチ) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160507-00010001-newswitch-sctch
自動搬送装置から生体分子まで。提唱者の東大・西成に聞く
例年以上に長い大型連休となった今年のゴールデンウイーク。楽しみが増える半面、悩ましいのは高速道路や行楽地での渋滞。最近の研究でこうした渋滞から得られた知見は道路を走る自動車だけでなく、工場内での自動搬送装置や生体内でのたんぱく質の正常な働きなどに活用できることが分かってきた。「渋滞学」を提唱する東京大学先端科学技術研究センターの西成活裕教授に渋滞研究の現状について聞いた。
【4%の上り坂】
渋滞に関する基本的な考え方は非常にシンプルだ。それは自分が行きたい方向にスペースがあるかないかで決まり、スペースがないと渋滞を引き起こす原因になる。
高速道路で起きる渋滞の地点の第1位は走行距離100メートルに対し高さが4メートルとなる約4%の上り坂。高速道路の渋滞の6割以上を占める。この渋滞の原因は、運転者がこの上り坂を平たんな道路だと思っていることにある。
そのため運手者は速度が落ちていることに気づきにくい。気付くころには後続の車との車間距離が詰まり、後続の車がブレーキを踏む。するとさらにその後ろの車がブレーキを踏むという連鎖が起き、これが数十台続くことで渋滞を引き起こす。
【原因は車間距離】
渋滞の原因となる車の条件を調べるため、西成教授らは1990年代後半に全国の高速道路での車の交通量のデータ数カ月分を日本道路公団(現NEXCO3社)から入手。半年に及ぶ解析の結果、道路のある地点を通過する際の最大交通量は1車線で1時間あたり約2000台、その時の速度が時速70キロメートル、車間距離が約40メートルだということが分かった。
この条件において車は最も早く流れる。これより車間距離が長くなると間延びしてしまい全体の交通量は減る。逆に、これより車間距離を詰めると、ブレーキの影響が後続の車に伝わることで渋滞を引き起こし、交通量を減らしてしまう。西成教授は「混んでいる時には前方の車との車間距離を詰めない方が結果的に早く進める。詰めると動けなくなってしまう」と強調する。
【社会実験で実証】
どうすれば渋滞をなくせるのか―。車間距離が詰まると渋滞の種ができてしまう。そこで西成教授は「渋滞の種となる車の集団に対し車間距離を大きく取って近づけば渋滞を解消できるのではないか」(同)と考えた。警察庁と日本自動車連盟(JAF)の協力のもと、09年に渋滞の解消に関する社会実験を実施。東京都八王子市と相模原市緑区の境にあり、日本の高速道路で最も渋滞する中央自動車道上り線の小仏トンネル付近で実験を行った。
渋滞しやすい場所の交通量をモニターし、渋滞の種ができたタイミングを見計らって8台の「渋滞吸収車」を発進。渋滞地点の約10キロメートル手前から、他の車に比べ時速20キロメートルほど落とした時速70キロメートルで車間距離40メートルを保って走行しそのままトンネルを抜けた。後で渋滞地点の交通量の記録を調べると、渋滞時に時速50キロメートルにまで落ちた全体の車の速度が渋滞吸収車の投入で時速80キロメートルに回復していた。
こうした知識をすべての運転者が知っている必要はない。「全体の数%の車がこうした走りをするだけで渋滞を解消させられる」(同)という。ゆっくり走るだけで渋滞を消せるという事実は衝撃的だ。西成教授は、渋滞に対しゆっくり入り、渋滞を抜ける際には素早く出る「スローイン・ファストアウト」を提唱している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160507-00010001-newswitch-sctch
自動搬送装置から生体分子まで。提唱者の東大・西成に聞く
例年以上に長い大型連休となった今年のゴールデンウイーク。楽しみが増える半面、悩ましいのは高速道路や行楽地での渋滞。最近の研究でこうした渋滞から得られた知見は道路を走る自動車だけでなく、工場内での自動搬送装置や生体内でのたんぱく質の正常な働きなどに活用できることが分かってきた。「渋滞学」を提唱する東京大学先端科学技術研究センターの西成活裕教授に渋滞研究の現状について聞いた。
【4%の上り坂】
渋滞に関する基本的な考え方は非常にシンプルだ。それは自分が行きたい方向にスペースがあるかないかで決まり、スペースがないと渋滞を引き起こす原因になる。
高速道路で起きる渋滞の地点の第1位は走行距離100メートルに対し高さが4メートルとなる約4%の上り坂。高速道路の渋滞の6割以上を占める。この渋滞の原因は、運転者がこの上り坂を平たんな道路だと思っていることにある。
そのため運手者は速度が落ちていることに気づきにくい。気付くころには後続の車との車間距離が詰まり、後続の車がブレーキを踏む。するとさらにその後ろの車がブレーキを踏むという連鎖が起き、これが数十台続くことで渋滞を引き起こす。
【原因は車間距離】
渋滞の原因となる車の条件を調べるため、西成教授らは1990年代後半に全国の高速道路での車の交通量のデータ数カ月分を日本道路公団(現NEXCO3社)から入手。半年に及ぶ解析の結果、道路のある地点を通過する際の最大交通量は1車線で1時間あたり約2000台、その時の速度が時速70キロメートル、車間距離が約40メートルだということが分かった。
この条件において車は最も早く流れる。これより車間距離が長くなると間延びしてしまい全体の交通量は減る。逆に、これより車間距離を詰めると、ブレーキの影響が後続の車に伝わることで渋滞を引き起こし、交通量を減らしてしまう。西成教授は「混んでいる時には前方の車との車間距離を詰めない方が結果的に早く進める。詰めると動けなくなってしまう」と強調する。
【社会実験で実証】
どうすれば渋滞をなくせるのか―。車間距離が詰まると渋滞の種ができてしまう。そこで西成教授は「渋滞の種となる車の集団に対し車間距離を大きく取って近づけば渋滞を解消できるのではないか」(同)と考えた。警察庁と日本自動車連盟(JAF)の協力のもと、09年に渋滞の解消に関する社会実験を実施。東京都八王子市と相模原市緑区の境にあり、日本の高速道路で最も渋滞する中央自動車道上り線の小仏トンネル付近で実験を行った。
渋滞しやすい場所の交通量をモニターし、渋滞の種ができたタイミングを見計らって8台の「渋滞吸収車」を発進。渋滞地点の約10キロメートル手前から、他の車に比べ時速20キロメートルほど落とした時速70キロメートルで車間距離40メートルを保って走行しそのままトンネルを抜けた。後で渋滞地点の交通量の記録を調べると、渋滞時に時速50キロメートルにまで落ちた全体の車の速度が渋滞吸収車の投入で時速80キロメートルに回復していた。
こうした知識をすべての運転者が知っている必要はない。「全体の数%の車がこうした走りをするだけで渋滞を解消させられる」(同)という。ゆっくり走るだけで渋滞を消せるという事実は衝撃的だ。西成教授は、渋滞に対しゆっくり入り、渋滞を抜ける際には素早く出る「スローイン・ファストアウト」を提唱している。
細胞内輸送、効率化に一役
【生産効率向上】
こうした渋滞を解消するための考え方はさまざまな分野への応用が可能だ。一例として、工場内で稼働する自動搬送装置の渋滞解消にも役立っている。
工場では導入した自動搬送装置の動きを最適化する必要がある。そこで西成教授は交通渋滞の知見から自動搬送装置同士の距離や経路などを最適化したプログラムを作り、実際の工場に適用した。「スムーズにモノを運べるようになり、大手企業の工場での搬送効率を数%向上させることに成功した」(同)。企業経営者は生産効率を少しでも高めるための努力を重ねており、数%の効率向上のインパクトは大きい。
【がん治療に道】
医療への応用研究もある。同大学大学院医学系研究科と共同でブタの神経細胞を使い、神経細胞内での生体分子の渋滞現象を確認した。神経細胞中にあり細胞内輸送の“レール”となる細長い「微小管」と、小胞やミトコンドリアを運ぶたんぱく質「キネシン」に着目。微小管でキネシンが渋滞すると、栄養が送れず神経活動が止まることを明らかにした。
この場合、車をキネシン、道路を微小管に置き換えることで渋滞の理論を適用した。研究チームは生体のガソリンとなるアデノシン三リン酸(ATP)の量を調整してキネシンの渋滞の様子を調べ、そこでキネシンの最適な交通量を割り出した。渋滞吸収車のように微小管でのキネシンの渋滞を解消できれば、キネシンの異常により発生するがんや神経変性疾患などの治療法の確立に結びつく可能性がある。
さまざまな知見を得られる渋滞研究だが、その成果が産業や医療に応用されるのはこれから。現実的には帰省先や行楽地からの帰り道で渋滞に巻き込まれた場合、慌てずに一定の車間距離を保ってゆっくり進むことが先決。渋滞とともにイライラも解消できるかもしれない。

引用元: ・【数理物理学/医学】「渋滞学」の研究、がん治療につながる!? 車をキネシン、道路を微小管に置き換えることで渋滞の理論を適用 [無断転載禁止]©2ch.net
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