1: 2018/12/11(火) 14:32:35.40 ID:CAP_USER
■-RHIC衝突型加速器で強い証拠を発見-
理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センター理研BNL研究センター実験研究グループの秋葉康之グループリーダーが実験代表者を務めるPHENIX実験[1]国際共同研究グループは、米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)の「RHIC衝突型加速器[2]」を用いて、陽子、重陽子、ヘリウム3(3He)の各原子核と金原子核(197Au)をそれぞれ衝突させた結果、「クォーク・グルーオン・プラズマ」と呼ばれる超高温・超高密度物質の“小さなしずく”が生成されたことを示す強い証拠を得ました。
本研究成果は、自然界に働く四つの基本的な力の一つである「強い相互作用[3]」や宇宙初期の状態の理解につながると期待できます。
金原子核のように大きな原子核同士を非常に高いエネルギーで衝突させると、原子核中の陽子や中性子が融合し、クォーク[4]とグルーオン[5]からなるクォーク・グルーオン・プラズマが生成されます。
今回、PHENIX実験国際共同研究グループは、衝突エネルギー200GeV(ギガ電子ボルト、ギガは10億)で、陽子と金原子核、重陽子と金原子核、ヘリウム3と金原子核をそれぞれ衝突させる実験を行いました。その結果、全ての実験で「楕円フロー[6]」、「三角フロー[6]」と呼ばれるハドロン[7]の集団運動パターンが得られたことから、小さな原子核と大きな原子核の衝突においてもクォーク・グルーオン・プラズマが生成されることが強く示されました。
本研究は、英国の科学雑誌『Nature Physics』のオンライン版(12月10日付け:日本時間12月11日)に掲載されます。
(中略)
■研究手法と成果
原子核衝突実験で生成されたクォーク・グルーオン・プラズマは、一瞬のうちに消滅して多くのクォークとグルーオンからなる複合粒子(ハドロン)に分解してしまうため、直接観測することはできません。しかし、このハドロンの生成パターンを解析することにより、その源であるクォーク・グルーオン・プラズマの性質を調べることができます。特に重要なのは、「楕円フロー」および「三角フロー」と呼ばれる、ハドロンの集団運動パターンです。このパターンは、クォーク・グルーオン・プラズマの粘性が非常に低いために生み出されます(図2)。
PHENIX実験国際共同研究グループはRHIC衝突型加速器を用いて、2014年にヘリウム3原子核(3He:陽子数2、中性子数1)と金原子核(陽子数79、中性子数118)を衝突させる実験を、2015年に陽子と金原子核を衝突させる実験を、2016年には重陽子(陽子数2)と金原子核を衝突させる実験を、それぞれ衝突エネルギー200GeV(ギガ電子ボルト、ギガは10億)で行いました。
その結果、三つのどの衝突実験においても、ハドロン集団運動パターンの楕円フローと三角フローが観測されたことが分かりました(図3)。しかも、これらの楕円フローと三角フローの強度は、それぞれの衝突でクォーク・グルーオン・プラズマが生成されると仮定した場合の理論計算の値と極めて近いことが分かりました。これらの結果は、三つの衝突実験において確かにクォーク・グルーオン・プラズマが生成されたことを示す極めて強力な証拠です。
続きはソースで
理化学研究所
http://www.riken.jp/pr/press/2018/20181211_1/
理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センター理研BNL研究センター実験研究グループの秋葉康之グループリーダーが実験代表者を務めるPHENIX実験[1]国際共同研究グループは、米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)の「RHIC衝突型加速器[2]」を用いて、陽子、重陽子、ヘリウム3(3He)の各原子核と金原子核(197Au)をそれぞれ衝突させた結果、「クォーク・グルーオン・プラズマ」と呼ばれる超高温・超高密度物質の“小さなしずく”が生成されたことを示す強い証拠を得ました。
本研究成果は、自然界に働く四つの基本的な力の一つである「強い相互作用[3]」や宇宙初期の状態の理解につながると期待できます。
金原子核のように大きな原子核同士を非常に高いエネルギーで衝突させると、原子核中の陽子や中性子が融合し、クォーク[4]とグルーオン[5]からなるクォーク・グルーオン・プラズマが生成されます。
今回、PHENIX実験国際共同研究グループは、衝突エネルギー200GeV(ギガ電子ボルト、ギガは10億)で、陽子と金原子核、重陽子と金原子核、ヘリウム3と金原子核をそれぞれ衝突させる実験を行いました。その結果、全ての実験で「楕円フロー[6]」、「三角フロー[6]」と呼ばれるハドロン[7]の集団運動パターンが得られたことから、小さな原子核と大きな原子核の衝突においてもクォーク・グルーオン・プラズマが生成されることが強く示されました。
本研究は、英国の科学雑誌『Nature Physics』のオンライン版(12月10日付け:日本時間12月11日)に掲載されます。
(中略)
■研究手法と成果
原子核衝突実験で生成されたクォーク・グルーオン・プラズマは、一瞬のうちに消滅して多くのクォークとグルーオンからなる複合粒子(ハドロン)に分解してしまうため、直接観測することはできません。しかし、このハドロンの生成パターンを解析することにより、その源であるクォーク・グルーオン・プラズマの性質を調べることができます。特に重要なのは、「楕円フロー」および「三角フロー」と呼ばれる、ハドロンの集団運動パターンです。このパターンは、クォーク・グルーオン・プラズマの粘性が非常に低いために生み出されます(図2)。
PHENIX実験国際共同研究グループはRHIC衝突型加速器を用いて、2014年にヘリウム3原子核(3He:陽子数2、中性子数1)と金原子核(陽子数79、中性子数118)を衝突させる実験を、2015年に陽子と金原子核を衝突させる実験を、2016年には重陽子(陽子数2)と金原子核を衝突させる実験を、それぞれ衝突エネルギー200GeV(ギガ電子ボルト、ギガは10億)で行いました。
その結果、三つのどの衝突実験においても、ハドロン集団運動パターンの楕円フローと三角フローが観測されたことが分かりました(図3)。しかも、これらの楕円フローと三角フローの強度は、それぞれの衝突でクォーク・グルーオン・プラズマが生成されると仮定した場合の理論計算の値と極めて近いことが分かりました。これらの結果は、三つの衝突実験において確かにクォーク・グルーオン・プラズマが生成されたことを示す極めて強力な証拠です。
続きはソースで
理化学研究所
http://www.riken.jp/pr/press/2018/20181211_1/
引用元: ・【物理学】宇宙初期物質の小さなしずく「クォーク・グルーオン・プラズマ」を創成 理研[12/11]
宇宙初期物質の小さなしずく「クォーク・グルーオン・プラズマ」を創成 理研の続きを読む