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クチバシ

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1: 一般人φ ★ 2013/11/08(金) 23:16:57.09 ID:???

 カモノハシは毒を持ち、アヒルのようなクチバシを備えていて卵を産むが、哺乳類に分類される。それだけでも奇抜だが、そのうえかつては現存種の2倍以上の体格のものが存在していたことが、最新の研究で分かった。

 約500~1500万年前、オーストラリアの森の中の淡水の水辺で、体長約1メートルのカモノハシが泳ぎ回っていたことが最新の論文で報告された。現代のカモノハシは体長40センチほどと小型のイエネコ程度の大きさなので、比較するとかなり大型である。この新種にはObdurodon tharalkooschildという学名がつけられた。

 今回の新種の復元につながったのは、世界遺産にも指定されているクイーンズランド州北西部のリバーズレー哺乳類化石地域で採集された石灰岩の中から数年前に発見されていた1本の歯であった。

 この化石は、しまいこまれたまま忘れられていた。これを2012年に棚の中から再発見したのが、今回の研究を率いたレベッカ・ピアン(Rebecca Pian)氏である。ピアン氏はニューヨーク市にあるコロンビア大学の博士課程の学生で、当時はオーストラリアのニューサウスウェールズ大学に留学中だった。

 ピアン氏はこの歯を一目見て、何かおかしいと感じた。これまでに見つかっているどんなカモノハシの歯よりも大きかったからだ。これを精査するうちに「ちょっと待って、この歯は大きいだけじゃない、ほかにもかなり変わっている」と言わずにいられなかったとピアン氏は振り返る。論文の共著者となったマイク・アーチャー(Mike Archer)氏に見せたところ、アーチャー氏もすぐにこれが新種であることを認めた。

 この歯にはカモノハシの歯だけが備えるとされる特徴が明確に示されていた。だがそれだけでなく、これまでカモノハシでは確認されたことのない複数の突起やうねもあった。この歯の持ち主であった個体の大きさを推測するため、ピアン氏らはほかのカモノハシの歯の大きさを基準にして大まかな計算を行った。

 すると、この個体はこれまでに確認されているどんなカモノハシよりも大型であることが分かった。
チームの発見は、これまで考えられていたカモノハシの進化の歴史を揺るがすものであった。

(>>2以降に続く)

▽画像  新生代の中期から末期にかけて生息していたと見られる、巨大な歯を持つカモノハシの想像図。強力な歯を有していたため、ハイギョ(肺魚)や小型のカメを口にしていた可能性がある。右上の写真は今回発見された下顎第一大臼歯のタイプ標本。
Reconstruction by Peter Schouten
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http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_images/platypus-fossil-largest_73108_600x450.jpg

▽記事引用元 ナショナルジオグラフィックニュース(November 6, 2013)
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20131106001



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1: 一般人φ ★ 2013/09/04(水) 00:51:26.74 ID:???

5500~4000万年前のヨーロッパに棲息していた巨大な「恐怖の鳥」は、古生物学者の間で長らく論争を招いてきた。この鳥は恐怖の肉食動物だったのか、それとも温和な草食動物だったのだろうか?

そして、フィレンチェで開催されたGoldschmidt conferenceの席上で発表された新しい学説は、この論争の最終的な結論を提示するものとなる。ドイツの研究チームは、ドイツの古い炭鉱となるeiseltalで発見されたこの鳥の化石を調べることにより、この鳥は肉食動物ではなかった可能性があることを発見した。

この恐怖の鳥は「ガストルニス(Gastornis)」と呼ばれているもので、高さが2メートルと巨大なクチバシを持つ飛べない鳥であることが知られてきた。その巨大な体とクチバシから科学者は長い間、この鳥は獰猛な肉食動物だろうと考えてきた。

「恐怖の鳥は、そのアゴの持つ力のバイオメカニカルな解析を通じて、その巨大なクチバシを使って獲物のクビを引きちぎるために使っていたと考えられてきたのである」とUniversity of BonnのDr Thomasは述べる。
「この鳥は恐竜が絶滅した後に棲息していた鳥であり、当時の哺乳類はまだ、進化の初期段階で体の大きさは比較的に小型だったのです。それゆえにこの恐怖の鳥は、当時の陸上の食物連鎖の頂点に立つ肉食動物だとされてきたのです。」

しかしながら、最近の研究成果によりそうした考え方に疑問が提示された。アメリカで発見されたこの鳥の親戚の足跡には猛禽類の特徴となる鋭いかぎ爪の跡が示されていなかった。また、巨大な体長故に高速で移動することが困難だったことから、哺乳類を捕まえることが困難だったのではとも考えられるのである(もっとも、肉食説を唱えている研究者はこの鳥は待ち伏せをすることで哺乳類を捕まえていたと考えているのだが)。
しかし、これまでのところ、この鳥が肉食だったのか、そうでなかったのかを決める決定的な証拠は見つかってはこなかった。

Dr Tutkenらの研究チームは、新たにジオケミカル的なアプローチを取ることによってガストルニスの食性を調査した。
化石化した骨に残されたカルシウムの同位組成分析を行うことによってこの鳥が肉を食していたのか、植物を食していたのか特定しようとした。この考え方は、食物連鎖を通過する中で、カルシウムは軽量化するという考えに基づくものとなる。その上で研究チームは、まず、草食の恐竜と肉食の恐竜、そして、現代の哺乳類の骨に含まれるカルシウムの分析を行った。

そしてこの解析作業の結果から、この恐怖の鳥のカルシウム同位組成は、草食の恐竜や草食の哺乳類と類似し、肉食動物のそれとは類似性はないことが判った。ただし、研究チームは、恐怖の鳥を草食だと断定する前に、改めて、この研究成果を学界に提示することにより、改めて、多くの研究者によってこの新しい学説が精査されることを望んでいる。

▽画像 ガストルニスの復元模型
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http://jp.sciencenewsline.com/news/images2/2013082923320005w.jpg

▽記事引用元 ScienceNewsline(August 29, 2013)
http://jp.sciencenewsline.com/articles/2013082923320005.html

▽Mineralogical Magazine
「Isotopes in vertebrate bioapatite: proxies for climate, pCO2 and diet」
http://minmag.geoscienceworld.org/content/77/5/2297.full.pdf+html



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