1: 2017/10/30(月) 07:11:35.70 ID:CAP_USER9
宇宙を構成する物質のうち、われわれが知覚できるとされる物質「バリオン」。これまで理論値の半分しか観測できていなかったが、その残りである「ダークバリオン」の検知に2つの研究グループが成功した。これにより、現在の技術で「宇宙マップ」をつくれる可能性が出てきた。

われわれの宇宙には、クモの巣状に分布したダークマターの大規模構造がある。そして見えない網の目に沿うように、可視光で観測可能な銀河団が存在しているといわれている。

そのなかに、われわれが知覚できるとされる星や銀河などの普通の物質「バリオン」は、宇宙を構成するもののわずか4.6パーセントにすぎない。そのほかの95パーセント以上は、未知のダークマターやダークエネルギーで構成されているというのが、現在までに行われてきたさまざまな観測、モデル、シミュレーションなどで一致している見解である。

ところが、これまで実際に人類が観測により把握できていたのは、星や銀河、銀河団に存在する高温ガスを足し合わせても、4.6パーセントあるバリオンの半分ほど。では残り半分は、いったいどのような形態で、宇宙のどこに隠れているのだろう?

長らく天文学者らは、この「ミッシングバリオン」または「ダークバリオン」が、銀河団同士を繋げているダークマターの網の目構造(フィラメント)に、高温・低密度のガスとして隠れているのではないかと予測してきた。そして今回、偶然にも同時期に、同じ観測方法を使用したふたつの研究グループによって、フィラメント内のバリオン密度が測定された。隠れたバリオンの存在が、ようやく明るみになったのだ。

「バリオンのほとんどは、水素やヘリウムの高温・低密度ガスです」と、『WIRED』日本版の取材に答えてくれたのは、ひとつめの論文の筆頭者である仏オルセー天文物理宇宙研究所の谷村英樹博士である。「これらの高温ガスは観測が非常に難しいと思われていましたが、スニヤエフ・ゼルドビッチ効果で観測可能な領域にあたるのです」

スニヤエフ・ゼルドビッチ効果とは、「ビッグバンの名残り」といわれている宇宙初期の観測可能な光(宇宙マイクロ波背景放射)と、銀河団内の高温ガスが衝突した際に起こるエネルギーの上昇のことをいう。この現象を逆手に取り、スニヤエフ・ゼルドビッチ効果によるエネルギー上昇を調べることで、これまで観測の難しかった銀河団内の高温ガスの存在を知ることができるのだという。

谷村率いる研究グループはスローン・デジタル・スカイサーベイから26万ペアの近傍銀河を、もうひとつの論文の筆頭者となったアン・デグラフのグループは100万ペアの遠方銀河を対象とし、銀河ペアを繋ぐフィラメント内に存在するバリオン量を測定した。

その結果、谷村のグループはフィラメント内のバリオン密度を周辺空間の約3倍、デグラフのグループは約6倍と結論づけた。

続きはソースで

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171029-00010001-wired-sctch
images (1)


引用元: 【科学】宇宙に隠れていた「ダークバリオン」の検出に成功──「宇宙マップ」を描く道が開けた

宇宙に隠れていた「ダークバリオン」の検出に成功──「宇宙マップ」を描く道が開けたの続きを読む