1: 2016/04/19(火) 21:36:35.77 ID:CAP_USER.net
【プレスリリース】電池中の酸化物イオンで充電と放電 ―高エネルギー電池のブレークスルー― - 日本の研究.com
https://research-er.jp/articles/view/45707
発表者
山田淳夫(東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻 教授)
大久保將史(東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻 准教授)
発表のポイント
•リチウムなどの希少元素を使用しない次世代電池の候補であるナトリウムイオン電池(注1)のプラス極(注2)を開発した。
•開発したプラス極では、酸化物イオン(注3)の酸化と還元により充電と放電が進行することが分かり、遷移金属(注4)からのみ電子を取り出す従来型のプラス極に比べて 1.4 倍の電気量を蓄えることが可能となった。
•さまざまな物質中に多量に含まれている酸化物イオンによる充電と放電が実現したことで、電気自動車などに搭載可能な高エネルギー密度の電池開発が可能となる。
発表概要
携帯機器などに利用されているリチウムイオン電池(注5)は、希少資源であるリチウムやコバルトを使用することから、代替技術の開発が急務となっている。その中で、リチウムをナトリウムに置換したナトリウムイオン電池は、特に実現性が高いと考えられており、元素戦略という国家的エネルギー戦略の観点からも開発が強力に推進されている。
実用可能な水準までナトリウムイオン電池を高機能化するためには、ナトリウムイオンを吸蔵・放出する化合物の対(プラス極とマイナス極、注2)を開発することが求められる。特に、長時間のエネルギー供給を可能とする電池には、プラス極とマイナス極における高密度な酸化・還元反応、すなわち、充電・放電が可能な新しい化合物の開発が期待されてきた。
東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻の山田淳夫教授、大久保將史准教授らの研究グループは、層状の酸化物に多量に含まれる酸化物イオンが酸化・還元反応を示すことを発見した(図1)。従来、このような反応を起こそうとすると酸素が乖離したり、結晶の構造が変化したりして安定な酸化・還元反応は起こらないとされてきた。また、詳細な解析により、この酸化物イオンの酸化・還元反応の発生には、協同的な構造の歪みが鍵になっていることを明らかにした。発見された酸化物イオンの酸化・還元反応は非常に安定に繰り返すことが可能であり、遷移金属からのみ電子を取り出す従来型のプラス極に比べて 1.4 倍の電気量を蓄えることが可能な高性能プラス極として機能することも確認された。‘酸化物’という極めて多様な物質群の基本構成単位である酸化物イオンが酸化・還元反応を示し、ナトリウムイオン電池のプラス極として機能する、という本発見は、今後、電気自動車などに搭載可能な高エネルギー密度の電池開発に大きく貢献すると期待される。
なお、本研究成果の一部は、日本学術振興会科学研究費補助金特別推進研究(No.15H05701)、および、文部科学省元素戦略プロジェクト<研究拠点形成型>「京都大学触媒・電池元素戦略研究拠点ユニット」(研究代表者:田中康裕 京都大学大学院工学研究科教授)による支援を受けて行われた。
続きはソースで
https://research-er.jp/articles/view/45707
発表者
山田淳夫(東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻 教授)
大久保將史(東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻 准教授)
発表のポイント
•リチウムなどの希少元素を使用しない次世代電池の候補であるナトリウムイオン電池(注1)のプラス極(注2)を開発した。
•開発したプラス極では、酸化物イオン(注3)の酸化と還元により充電と放電が進行することが分かり、遷移金属(注4)からのみ電子を取り出す従来型のプラス極に比べて 1.4 倍の電気量を蓄えることが可能となった。
•さまざまな物質中に多量に含まれている酸化物イオンによる充電と放電が実現したことで、電気自動車などに搭載可能な高エネルギー密度の電池開発が可能となる。
発表概要
携帯機器などに利用されているリチウムイオン電池(注5)は、希少資源であるリチウムやコバルトを使用することから、代替技術の開発が急務となっている。その中で、リチウムをナトリウムに置換したナトリウムイオン電池は、特に実現性が高いと考えられており、元素戦略という国家的エネルギー戦略の観点からも開発が強力に推進されている。
実用可能な水準までナトリウムイオン電池を高機能化するためには、ナトリウムイオンを吸蔵・放出する化合物の対(プラス極とマイナス極、注2)を開発することが求められる。特に、長時間のエネルギー供給を可能とする電池には、プラス極とマイナス極における高密度な酸化・還元反応、すなわち、充電・放電が可能な新しい化合物の開発が期待されてきた。
東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻の山田淳夫教授、大久保將史准教授らの研究グループは、層状の酸化物に多量に含まれる酸化物イオンが酸化・還元反応を示すことを発見した(図1)。従来、このような反応を起こそうとすると酸素が乖離したり、結晶の構造が変化したりして安定な酸化・還元反応は起こらないとされてきた。また、詳細な解析により、この酸化物イオンの酸化・還元反応の発生には、協同的な構造の歪みが鍵になっていることを明らかにした。発見された酸化物イオンの酸化・還元反応は非常に安定に繰り返すことが可能であり、遷移金属からのみ電子を取り出す従来型のプラス極に比べて 1.4 倍の電気量を蓄えることが可能な高性能プラス極として機能することも確認された。‘酸化物’という極めて多様な物質群の基本構成単位である酸化物イオンが酸化・還元反応を示し、ナトリウムイオン電池のプラス極として機能する、という本発見は、今後、電気自動車などに搭載可能な高エネルギー密度の電池開発に大きく貢献すると期待される。
なお、本研究成果の一部は、日本学術振興会科学研究費補助金特別推進研究(No.15H05701)、および、文部科学省元素戦略プロジェクト<研究拠点形成型>「京都大学触媒・電池元素戦略研究拠点ユニット」(研究代表者:田中康裕 京都大学大学院工学研究科教授)による支援を受けて行われた。
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引用元: ・【電気化学】ナトリウムイオン電池のプラス極を開発 電池中の酸化物イオンで充電と放電 高エネルギー電池のブレークスルー
ナトリウムイオン電池のプラス極を開発 電池中の酸化物イオンで充電と放電 高エネルギー電池のブレークスルーの続きを読む