1: 2015/03/18(水) 01:05:06.54 ID:???.net
掲載日:2015年3月17日
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20150316/439302/
画像
南極海に生息するマダコ科の一種(Pareledone charcoti)。タコの血液には銅を含むヘモシアニンという酸素運搬タンパク質が存在しているため、青色を帯びている。(Photograph by Tomas Lundalv)
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20150316/439302/ph_thumb.jpg
一説には白い肌に静脈が青く浮き出ている様子にちなみ、高貴な生まれの人を「青い血(blue blood)」と表現することがあるが、タコの血管を流れる血液は赤ではなく本当に青い。
タコの血液が青いのは、銅を含むヘモシアニンというタンパク質が酸素を運搬しているからだ。ヘモシアニンは本来透明だが、エラから取り入れた酸素と結びつくと青色になる。一方、ヒトの血液が赤いのは、肺から取り入れた酸素を全身に運搬するヘモグロビンというタンパク質が鉄を含んでいるからだ。
ヘモグロビンもヘモシアニンも、酸素を必要とする組織のところで運んできた酸素を切り離すことで、全身に酸素を行き渡らせている。
しかし、南極海に棲むマダコ科の一種(学名:Pareledone charcoti)にとっては、そう簡単な話ではない。水温が氷点下になる南極海では、ヘモシアニンと酸素の結合が強すぎて、切り離すのが困難だ。ふつうに考えれば、体に酸素が行き渡らず、タコは死んでしまうはずなのだ。
3月11日に「Frontiers in Zoology」誌に発表された最新の研究によると、南極海のタコはヘモシアニンを過剰に作り出すことで、この問題を解決していることが明らかになった。
アルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所(ドイツ)の生態生理学者マイケル・オラーマンが率いる研究チームは、南極海に生息するこのタコを、暖かい海に暮らすやはりマダコ科の2種(学名:Octopus pallidusとEledone moschata)と比較した。
その結果、南極海のタコの血液中ヘモシアニン濃度は、他の2種のタコに比べて平均40%も高いことが明らかになった。
「予想外の発見でした」と彼は言う。
|完全に透明な血を持つ魚
さらに、赤でも青でもない血液をもつ動物もいる。
ジャノメコオリウオ(Chionodraco rastrospinosus)は、南極のタコと同じく冷たい海に生息しているが、その血液の色は青ではなく完全に透明だ。
この魚の血液に色がついていないのは、ヘモグロビンもヘモシアニンもないからだ。
「低温の水は、温かい水よりはるかに多くの酸素をたくわえることができます。ジャノメコオリウオが生息する深さの海水には十分な量の酸素が溶け込んでいるので、酸素運搬タンパク質を利用する必要がないのです」と言う。
ジャノメコオリウオが変わっているのはこれだけではない。ほかの多くの魚と違い、ウロコがまったくないのだ。
科学者は、ウロコがないことで皮膚から直接酸素を取り入れることが可能になり、異常に大きい心臓が血漿中の酸素を全身に行き渡らせているのではないかと考えている。
続く
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20150316/439302/
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南極海に生息するマダコ科の一種(Pareledone charcoti)。タコの血液には銅を含むヘモシアニンという酸素運搬タンパク質が存在しているため、青色を帯びている。(Photograph by Tomas Lundalv)
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20150316/439302/ph_thumb.jpg
一説には白い肌に静脈が青く浮き出ている様子にちなみ、高貴な生まれの人を「青い血(blue blood)」と表現することがあるが、タコの血管を流れる血液は赤ではなく本当に青い。
タコの血液が青いのは、銅を含むヘモシアニンというタンパク質が酸素を運搬しているからだ。ヘモシアニンは本来透明だが、エラから取り入れた酸素と結びつくと青色になる。一方、ヒトの血液が赤いのは、肺から取り入れた酸素を全身に運搬するヘモグロビンというタンパク質が鉄を含んでいるからだ。
ヘモグロビンもヘモシアニンも、酸素を必要とする組織のところで運んできた酸素を切り離すことで、全身に酸素を行き渡らせている。
しかし、南極海に棲むマダコ科の一種(学名:Pareledone charcoti)にとっては、そう簡単な話ではない。水温が氷点下になる南極海では、ヘモシアニンと酸素の結合が強すぎて、切り離すのが困難だ。ふつうに考えれば、体に酸素が行き渡らず、タコは死んでしまうはずなのだ。
3月11日に「Frontiers in Zoology」誌に発表された最新の研究によると、南極海のタコはヘモシアニンを過剰に作り出すことで、この問題を解決していることが明らかになった。
アルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所(ドイツ)の生態生理学者マイケル・オラーマンが率いる研究チームは、南極海に生息するこのタコを、暖かい海に暮らすやはりマダコ科の2種(学名:Octopus pallidusとEledone moschata)と比較した。
その結果、南極海のタコの血液中ヘモシアニン濃度は、他の2種のタコに比べて平均40%も高いことが明らかになった。
「予想外の発見でした」と彼は言う。
|完全に透明な血を持つ魚
さらに、赤でも青でもない血液をもつ動物もいる。
ジャノメコオリウオ(Chionodraco rastrospinosus)は、南極のタコと同じく冷たい海に生息しているが、その血液の色は青ではなく完全に透明だ。
この魚の血液に色がついていないのは、ヘモグロビンもヘモシアニンもないからだ。
「低温の水は、温かい水よりはるかに多くの酸素をたくわえることができます。ジャノメコオリウオが生息する深さの海水には十分な量の酸素が溶け込んでいるので、酸素運搬タンパク質を利用する必要がないのです」と言う。
ジャノメコオリウオが変わっているのはこれだけではない。ほかの多くの魚と違い、ウロコがまったくないのだ。
科学者は、ウロコがないことで皮膚から直接酸素を取り入れることが可能になり、異常に大きい心臓が血漿中の酸素を全身に行き渡らせているのではないかと考えている。
続く
引用元: ・【生物】南極のタコの血は青くて濃い、予想を裏切る新発見 赤、青、緑、透明…生きものの血の色はなぜ異なるのか
南極のタコの血は青くて濃い、予想を裏切る新発見 赤、青、緑、透明…生きものの血の色はなぜ異なるのかの続きを読む