1: 白夜φ ★ 2013/07/15(月) 23:58:12.83 ID:???
南極氷底湖に未知の生物? 疑問の声も
Marc Kaufman
for National Geographic News July 11, 2013
南極大陸の氷底湖、ボストーク湖の上部から、バクテリアや菌類、甲殻類、さらには魚類と考えられる遺伝子断片が見つかった。
極限の環境でも生物の存在が可能とすれば、地球外惑星やその衛星でも同じ期待が持てるかもしれない。
しかし、論文発表が世界的に報道された直後に、ほかの専門家から異論の声が上がった。
7月3日、査読付きオープンアクセスの米オンライン科学誌「PLOS ONE」に発表された論文では、ボストーク湖上部の氷床コアから未知の多細胞生物が見つかったと述べているが、裏付けとなる科学的根拠は示されていない。
研究チームの責任者で、アメリカ、オハイオ州にあるボーリング・グリーン州立大学のスコット・ロジャーズ(Scott Rogers)氏は、疑問の声は想定済みだと語る。
同氏によると、サンプルに存在した遺伝子配列の分析には、新しいテクニックを用いたという。
「真偽はいずれ明らかになるだろう。時間の問題だ」。
3500種類以上の生命体の遺伝子断片が含まれていたサンプルは、氷床コアの掘削孔5Gから採取された。
1990年代に始まった5Gの掘削は、ロシアがアメリカとフランスと共同で実施している。
2013年2月には、ロシア調査チームのドリルが初めてボストーク湖に到達している。
しかし、今回分析した氷床コアは、コロラド州デンバーにあるアメリカ国立氷床コア研究所(U.S. National Ice Core Laboratory)の所有で、到達前のサンプルだ。
氷床下約4000メートルのボストーク湖上部で採取した、「降着氷(accretion ice)」と呼ぶ氷を分析している。
以前にも他の氷床から単細胞生物がわずかながら見つかっているが、いずれも予期されるものだった。
今回は多細胞生物で、DNAやRNA(リボ核酸)の配列はまったくの新種だ。
◆根拠なき発見
ボストーク湖をはじめ、南極大陸の氷床コアを研究するルイジアナ州立大学のブレント・クリストナー(Brent Christner)氏は、多様な多細胞生物が存在した場合、非常に深い氷床内の自然の摂理が根底から覆されることになると話す。
クリストナー(Brent Christner)氏はさらに、「多様な生物と、ボストーク湖上部の氷床コアデータは一致しない。
とりわけ、複雑な生物が生きていけるほど十分な食物がない。証拠がもっと必要だろう」と指摘する。
また、汚染の疑いもあるという。DNAやRNAは、ほかの有機体が誤って混入した可能性がある。
氷床コアの運搬は慎重に行っているはずだが、汚染の可能性は否定できないと、テキサスA&M大学の海洋学者マーロン・C・ケニカット(Mahlon C. Kennicutt II)氏はメールで述べた。
例えば、ロシア調査チームは掘削作業に灯油を使用しており、特に1990年代以前では有機物がサンプルを汚染した可能性があると結論づけた専門家も多い。
◆決着は難しい
前出のロジャーズ氏らは、汚染の可能性もあるが、ボストーク湖の固有種という可能性も残っていると反論。
同氏が発見した生命体の大半はバクテリアで、1500万~2500万年前には温暖だったボストーク湖に多細胞生物が生息、極限環境に適応したのではないかと考えている。
Photograph from Surete du Quebec via Canadian Press/AP
▽記事引用元 National Geographic News July 11, 2013配信記事
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20130711002
▽関連
PLOS ONE
Subglacial Lake Vostok (Antarctica) Accretion Ice Contains a Diverse Set of Sequences from Aquatic, Marine and Sediment-Inhabiting Bacteria and Eukarya
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0067221
Marc Kaufman
for National Geographic News July 11, 2013
南極大陸の氷底湖、ボストーク湖の上部から、バクテリアや菌類、甲殻類、さらには魚類と考えられる遺伝子断片が見つかった。
極限の環境でも生物の存在が可能とすれば、地球外惑星やその衛星でも同じ期待が持てるかもしれない。
しかし、論文発表が世界的に報道された直後に、ほかの専門家から異論の声が上がった。
7月3日、査読付きオープンアクセスの米オンライン科学誌「PLOS ONE」に発表された論文では、ボストーク湖上部の氷床コアから未知の多細胞生物が見つかったと述べているが、裏付けとなる科学的根拠は示されていない。
研究チームの責任者で、アメリカ、オハイオ州にあるボーリング・グリーン州立大学のスコット・ロジャーズ(Scott Rogers)氏は、疑問の声は想定済みだと語る。
同氏によると、サンプルに存在した遺伝子配列の分析には、新しいテクニックを用いたという。
「真偽はいずれ明らかになるだろう。時間の問題だ」。
3500種類以上の生命体の遺伝子断片が含まれていたサンプルは、氷床コアの掘削孔5Gから採取された。
1990年代に始まった5Gの掘削は、ロシアがアメリカとフランスと共同で実施している。
2013年2月には、ロシア調査チームのドリルが初めてボストーク湖に到達している。
しかし、今回分析した氷床コアは、コロラド州デンバーにあるアメリカ国立氷床コア研究所(U.S. National Ice Core Laboratory)の所有で、到達前のサンプルだ。
氷床下約4000メートルのボストーク湖上部で採取した、「降着氷(accretion ice)」と呼ぶ氷を分析している。
以前にも他の氷床から単細胞生物がわずかながら見つかっているが、いずれも予期されるものだった。
今回は多細胞生物で、DNAやRNA(リボ核酸)の配列はまったくの新種だ。
◆根拠なき発見
ボストーク湖をはじめ、南極大陸の氷床コアを研究するルイジアナ州立大学のブレント・クリストナー(Brent Christner)氏は、多様な多細胞生物が存在した場合、非常に深い氷床内の自然の摂理が根底から覆されることになると話す。
クリストナー(Brent Christner)氏はさらに、「多様な生物と、ボストーク湖上部の氷床コアデータは一致しない。
とりわけ、複雑な生物が生きていけるほど十分な食物がない。証拠がもっと必要だろう」と指摘する。
また、汚染の疑いもあるという。DNAやRNAは、ほかの有機体が誤って混入した可能性がある。
氷床コアの運搬は慎重に行っているはずだが、汚染の可能性は否定できないと、テキサスA&M大学の海洋学者マーロン・C・ケニカット(Mahlon C. Kennicutt II)氏はメールで述べた。
例えば、ロシア調査チームは掘削作業に灯油を使用しており、特に1990年代以前では有機物がサンプルを汚染した可能性があると結論づけた専門家も多い。
◆決着は難しい
前出のロジャーズ氏らは、汚染の可能性もあるが、ボストーク湖の固有種という可能性も残っていると反論。
同氏が発見した生命体の大半はバクテリアで、1500万~2500万年前には温暖だったボストーク湖に多細胞生物が生息、極限環境に適応したのではないかと考えている。
Photograph from Surete du Quebec via Canadian Press/AP
▽記事引用元 National Geographic News July 11, 2013配信記事
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20130711002
▽関連
PLOS ONE
Subglacial Lake Vostok (Antarctica) Accretion Ice Contains a Diverse Set of Sequences from Aquatic, Marine and Sediment-Inhabiting Bacteria and Eukarya
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0067221
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