https://research-er.jp/articles/view/49231
このたび、慶應義塾大学医学部内科学 (腎臓・内分泌・代謝) 教室の川野義長助教、中江淳特任准教授、伊藤裕教授らは、高脂肪食の過剰摂取に伴う大腸の慢性炎症が、「インスリン抵抗性」(注 1)を引き起こし、糖尿病の発症につながる事を、遺伝子改変マウスを用いた動物実験で明らかにしました。
これまで、肥満による糖尿病の発症には、脂肪組織、特に内臓脂肪での慢性炎症が大きく影響していることが知られていました。本研究チームは、マウスに脂肪分を 60%含む高脂肪食を摂取させることで、脂肪組織よりも先に、免疫細胞のマクロファージの集積を促す蛋白質Ccl2(Chemokine C-C motif ligand 2) (注 2)の産生が増加し、マクロファージ(注 3)が集積することで、大腸の慢性炎症が引き起こされることを明らかにしました。さらに、大腸腸管上皮だけで Ccl2 が欠損するマウスを作製し、大腸の慢性炎症を抑えると、インスリンの効きが良くなり、血糖値の上昇が 30%程度低下する事も明らかにしています。
本研究は肥満によってインスリンの効きが悪くなる原因が腸管の炎症であるとする、今までにない糖尿病の発症メカニズムを解明したもので、肥満になっても、腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくいことを示すものです。今後、ヒトでの更なる検討を行い、将来的には腸の炎症をおさえる新規の糖尿病治療薬の開発が期待されます。
本研究成果は、2016 年 8 月 9 日(米国時間)に「Cell Metabolism」のオンライン版で公開されました。
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引用元: ・【医学】肥満に伴う大腸の炎症が、糖尿病発症につながることを明らかに [無断転載禁止]©2ch.net
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