1: 2015/02/03(火) 20:53:24.53 ID:???.net
掲載日:2015年2月3日
http://news.mynavi.jp/news/2015/02/03/042/

 オイルを大量に蓄積する海洋珪藻Fistulifera solarisの全ゲノムを、東京農工大学大学院工学研究院の田中剛(たなか つよし)教授らが初めて解読し、オイル合成の代謝経路を突き止めた。微細藻類のオイル蓄積の仕組みを解明する突破口になり、バイオ燃料の生産性向上にも道を開くと期待される。フランスの高等教育機関エコール・ノルマル・シュペリウールと産業技術総合研究所、電源開発との共同研究で、1月29日付の米科学誌The Plant Cellオンライン版に発表した。

 光合成する単細胞の微細藻類が生産するオイルはバイオ燃料として、二酸化炭素の排出削減が見込めるほか、食料との競合が起こらない利点もあり、世界中でオイル生産に適した微細藻類が探索されている。田中剛教授らの研究グループは、保有する海洋微細藻類のコレクションの中から最大のオイル蓄積性を示す珪藻Fistulifera solaris JPCC DA0580株を見いだした。微細藻類は普通、細胞増殖が終わった後にオイルを蓄積するが、この珪藻は増殖しながら、迅速に大量のオイルを蓄積でき、世界トップレベルのオイル生産性を示す。

 研究グループはこの珪藻の全ゲノム解読に取り組んだ。異なる染色体対が細胞内に共生する異質倍数体ゲノムをもっているため、得られた遺伝子配列からゲノムの再構成が難しかったが、バイオインフォマティクスの手法を駆使して、約2500万塩基、42対の染色体、約2万個の遺伝子の存在を確かめた。オイル合成に関与する重要な遺伝子を多数特定し、それらが活性化するパターンを解析した。この珪藻はオイルを蓄積しながら、同時にその一部を分解し、細胞増殖のためのエネルギーを得ている可能性が大きいことを見つけた。このユニークな遺伝子発現が迅速に大量のオイルを蓄積する性質を実現していると考えられる。

続きはソースで

<画像>
写真. 珪藻Fistulifera solaris JPCC DA0580株のオイル蓄積過程の顕微鏡画像。緑色蛍光がオイルを示し、細胞内の多くの体積をオイルが占める。(提供:東京農工大学)
http://news.mynavi.jp/news/2015/02/03/042/images/001l.jpg

図. 今回解析されたFistulifera solaris JPCC DA0580株のゲノム構造の模式図(提供:東京農工大学)
http://news.mynavi.jp/news/2015/02/03/042/images/002l.jpg

<参照>
2015年1月30日 世界初、オイル高蓄積珪藻の全ゲノムを解読|2014年度 プレスリリース一覧| 国立大学法人 東京農工大学
http://www.tuat.ac.jp/disclosure/pressrelease/2014/20150127221340/index.html

Selected Abstracts - Oil Accumulation by the Oleaginous Diatom Fistulifera solaris as Revealed by the Genome and Transcriptome
http://www.plantcell.org/gca?gca=plantcell%3Btpc.114.135194v1&submit=Get+All+Checked+Abstracts

引用元: 【植物生理/エネルギー】オイル高蓄積珪藻の全ゲノムを初解読

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